「平権懇」学習会2009 (最新記事は1つ下にアップ)

●平和的生存権の新たな展開――長沼訴訟からイラク派兵違憲訴訟へ

砂川裁判以来、基地訴訟にかかわってきた弁護士に、平和的生存権=平和に生きる権利の初心と現在を聞く。

7月18日(土)14時~16時

会場 スモン公害センター(新宿区新宿2-1-3 サニーシティ新宿御苑1001)

参加費 500円

講師 新井 章さん 1931年生まれ。前茨城大学教授。著書『憲法第九条と安保・自衛隊』『労働基本権保障と制約の法理』『体験的憲法裁判史』など。

●横田基地見学ツアー――日米同盟変革の現場を見る

在日米軍司令部、日米共同統合作戦調整センターのある横田基地が、

年に一度の友好祭で公開されるのを機会に。

8月22日(土)正午 JR拝島駅(東京駅から中央・青梅線快速で65分)北口改札口集合

資料代 1000円

案内人 池田吉人さん、近森拡充さん(東京平和委員会)

友好祭見学の注意事項等は基地のホームページ

http://www.geocities.jp/rhpqq324/ を参照

●世界経済危機とアメリカ「覇権」への挑戦

米国発世界経済危機はどこへ向かうのか。現代世界経済・日中経済

関係の専門家が、平易かつ縦横に語る。

10月9日(金)18時30分から

会場 文京区民センター会議室(予定)

参加費 500円

講師 岩田勝雄さん 1945年生まれ。立命館大学経済学部教授。著書『現代世界経済と日本』『現代国際経済分析論』『グローバル化と中国経済政策』など。

●日本軍需産業のゆくえ

科学技術史の研究者が、ミサイル防衛など米国の軍事経済と日本

の産業・技術の一体化について解説する。

12月12日(土)14時~16時

会場未定

参加費 500円

講師 山崎文徳さん 立命館大学。論文「『被害』の最小化と精密誘導兵器」「アメリカの軍事技術開発と対日『依存』」「原爆症認定集団訴訟運動の到達点」など。

日時・会場は変更することがあります。「へいけんこんブログ」でご確認を。

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2009/07/05

沖縄密約文書開示訴訟・第1回口頭弁論  

「米国が公開している外交文書は存在しないのか」

杉原・東京地裁裁判長が、被告の国側に質す

 

ジャーナリスト 池田龍夫(元『毎日』記者)

 沖縄返還交渉をめぐる疑惑は、米国の外交文書公開によって「日米密約の存在」が暴露されてから約10年経過した現在も、歴代日本政府は「密約はない」と一貫して否定している。1972年の沖縄返還から37年経過したが、政府は「文書不存在」をタテに真相を隠蔽し続けているのだ。

西山太吉・元毎日新聞記者のスクープが事件の発端で、政治権力の強引な捜査は、今でも記憶に残る。佐藤栄作政権は問題の本質を隠すため、事件を「外務省機密漏洩事件」に矮小化して西山記者を国家公務員法違反(秘密漏洩の教唆)容疑で逮捕。一審は無罪だったが、控訴審→最高裁判決で逆転・有罪が確定して〝記者生命〟を失う結末となった。ところが、米国公文書の発掘に続き、当時の外交交渉責任者、吉野文六外務省アメリカ局長の「密約文書に署名した」との発言が飛び出した。長年沈黙を続けていた西山氏は2005年、不当判決に対して「国家賠償請求訴訟」を提起。東京地裁、東京高裁、さらに最高裁へと審理は3年余続けられたが、最高裁第三小法廷は2008年9月2日、実質審理に入らぬまま一、二審と同様上告を棄却した。国民が最も知りたい「密約の存在」には一切触れず、「除斥期間」を唯一の理由に、原告の訴えを却下したのである。日米間で取り交わした文書の有無に一切口を閉ざし、新証拠や証言を無視した〝逃げ腰〟の姿勢は、言語道断と言わざるを得ない。当日たまたま都内で、有識者による「沖縄返還に伴う日米の合意文書・情報公開請求の会」が開かれており、最高裁の〝抜き打ち的決定〟の連絡に衝撃が走った。まるで〝先制攻撃〟のような司法の通告に反発、同日午後直ちに代表者が外務・財務両省を訪ね、「沖縄返還交渉の情報公開」請求を迫ったが、これも10月2日「文書不存在」を理由に却下された。これに対し有識者と弁護団は2009年3月16日、「不開示処分取り消しを求める訴訟」を東京地裁に提起した。原告は、桂敬一・柴田鉄治・新崎盛暉三氏を代表者に、西山太吉・奥平康弘・我部政明・澤地久枝・田島泰彦氏ら総勢25人。同時に清水英夫・小町谷育子・飯田正剛・日隅一雄・岡島実・梓澤和幸氏ら30人の弁護団が結成された。以上が、「沖縄密約訴訟」についての概括的な経緯である。

    明解さに欠ける国側〔答弁書〕

 一連の疑惑を正すため「沖縄返還〝密約文書〟公開請求訴訟」第1回口頭弁論は、2009年6月16日午後4時、東京地裁705号法廷で開かれた。原告・弁護団席には20人余が着席し、異様な緊張の中で審理が進められた。

 被告の国側は、原告が開示を求める3文書につき「いずれも保有しておらず、原告が主張する事実関係については確認できない」と〝密約の有無〟への言及を避けた。国側が提出した答弁書第4<被告の主張>に、注目すべき記述があるので原文を紹介する。

 「外務省及び財務省は、本件各開示請求対象文書をいずれも保有しておらず、各対象文書に関して原告らが主張する事実関係については確認することができない。なお、一般 論としては、二国間又は多国間の合意に向けた交渉の過程において仮に様々な文書が作成されたことがあったとしても、それが交渉の最終的な結果である合意自体でない場合等に、事後的に廃棄されることがある。また、沖縄返還に際しての支払に関する日米間の合意は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(以下『沖縄返還協定』という。)がすべてである。したがって、本件各処分にはいずれも何らの違法はない。詳細は、追って、準備書面をもって明らかにする」。

 この「国側答弁書」を受けて、杉原則彦裁判長は「米国に密約文書があるのだから、日本側にも同じ文書が存在するはずだとする原告の主張は理解できる。もし密約そのものが存在しないというのであれば、米国の公文書をどう理解すべきなのか、国側は合理的に説明するする必要がある」と述べた。さらに「一般論としては、事後的に廃棄されることがある」との国側答弁書につき、「事後に廃棄ということは、当初は保有されていたということか」と問い質す場面もあった。国側は「確認はできない。過去に存在したかどうか、可能性は分からない」と答弁するのが精いっぱいだった。

   米国並みの「情報公開」を迫った原告の[意見陳述]

 原告団を代表して桂敬一氏(メディア研究者)と我部政明・琉球大学教授が熱っぽい意見陳述を行ったので、ほんの一部を引用して参考に供したい。

[桂氏の陳述]冷戦時代の遺産さながらの沖縄密約は清算、沖縄問題を含めた今後の日米関係構築に必要な政策は、透明性が確保された協議体制の下での検討が望まれる。日本はまず、アメリカの情報公開制度、とくに政府交換文書の公開制度を見習わねばならない。それは、政府が立案・実施で過ちを犯しても、いつかその原因を発見、政策を正道に戻す、政治の民主的復元力を保障してきた。日本政府は手始めとして、沖縄密約に関してアメリカが公開したものに見合う文書資料を、もう公開すべきである。本裁判がそれを促し、国民の知る権利を満たし、政府に対する信頼の回復に資する役割を演じられんことを、私は期待する。

[我部氏の陳述]今回公開を求める3文書の中核は、アメリカ側は沖縄返還に伴う費用負担を全く行わないばかりでなく、沖縄の米軍基地の返還において、移転に伴う費用に加え日本本土にある米軍基地の施設改善費を日本側に支出させることにあったという点です。………交渉の結末は、アメリカ側の提示した基地返還に伴う移設や基地内の施設改善のための費用を軸にして他の項目も一括で支払う(lump sum payment)とする政治決着で日米が合意しました。それは、佐藤首相の訪米直前の1969年11月12日です。その合意に際して、沖縄返還の財政交渉に終始かかわっていた当時の福田赳夫・大蔵大臣が口頭で覚書を読み上げています。………(これまで述べてきたように)日本側とアメリカ側が署名している合意文書が(アメリカ国立公文書館などに)存在しているのです。明らかに、日本の外務省や財務省にも同一の合意文書が存在しているはずです。政         権を担当し、政策を実施すべき政府が、外国政府との間で自ら合意した取り決めを軽視  することは、国民の利益を無視することです。政権の都合と国民の利益のいずれかを優先すべきなのかという基本姿勢を理解しえない政府だとすれば、国民の信頼は消滅します。たとえ当時の政権にとって好ましくない合意であったとしても、「知る権利」「政府の透明性」を高めて、国民信頼をかちとり、そして日本の外交の現実を知らせることこそが国民の正確な外交判断を促していくものだと確信しています。

 

1990年代から米国公文書館などで「沖縄密約文書」発掘を続けてきた我部琉球大教授の意見陳述は、具体的例証を提示して迫真力があった。たじたじの国側は〝我部陳述〟の取り扱いに注文をつける一幕もあったが、杉原裁判長は、原告の意見陳述を『雑記録』ではなく、『弁論』として位置づける判断を示した。さらに裁判長が、メディアに「密約の存在」を明らかにしている吉野文六・元外務省アメリカ局長を証人に招くよう原告側に促すなど踏み込んだ姿勢を示した。最後に、次回の弁論日程につき裁判長が「1カ月後でいかがですか」と問いかけたところ、国側は「2カ月の準備期間」を要請。結局、「8月25日第2回口頭弁論」を決定したが、裁判長は国側に向かって「2カ月もあるので充実した書面が出ることを期待します」と念を押して、閉廷した。

    どう報じるか? マスコミの問題意識と報道姿勢

 ついで午後6時から弁護士会館で原告・弁護団の記者会見があり、引き続き報告集会も開かれた。小町谷育子弁護士は「裁判長が冒頭から文書の廃棄につき国側に説明を求めるなど、今までにない積極姿勢に裁判長の決意を感じる」と感想を述べたが、他の原告・弁護団メンバーも〝訴訟指揮〟ともいえる裁判長の姿勢に好感を示し、今後の展開に期待する発言が目立った。「個人の力ではなく、集団が動き出したことが裁判所の変化につながったと思う」(西山太吉氏)との見方もうなずける。また、裁判長が「吉野氏の証人喚問」を要請した点を評価、直ちに弁護団が接触することになった。高齢のため出廷が困難なら出張尋問をとの提案もあり、吉野証言をぜひ引き出してもらいたい。

 報告集会の中で「沖縄密約問題は過去のことではなく、現在のグアム移転など日米軍事再編につながる重大問題である。各メディアはもっと強い問題意識をもって報道してもらいたい。今こそマスコミの姿勢が問われている」との指摘や要望が多くの方から出された。沖縄弁護士会所属の岡島実弁護士が席上、「沖縄と本土の情報格差が大きい。

この種の報道は、沖縄に比べて本土マスコミは殆ど取り上げず、その格差は100対1くらいだ」と発言した。〝100分の1〟はともかくとして、冷淡な本土マスコミへの痛烈な指摘と受け止めたい。

 そこで、本土と沖縄の主要各紙が6月17日朝刊にどう報じたかを点検したので、具体的な内容を提示しておきたい。

 在京6紙のうち「密約文書開示訴訟」を報じたのは『朝日』『毎日』『東京』3紙で、『読売』『日経』『産経』3紙は全く扱っていなかった。密約訴訟自体をどう見るかは各新聞の自由だが、好むと好まざるに拘わらず、論議が続いている裁判を1行も報じなかったのは何故か。まさかと思って、何回も読み直したが見当たらなかった。

『朝日』は社会面に<密約文書『ない理由を示せ』・国に裁判長要請>の4段見出しを掲げ、国側に説明責任を求めた点を重視、裁判長発言を引用して詳しく報じた。『毎日』は第3社会面に<国側『文書保有せず』・初弁論で争う姿勢>の3段見出し。『東京』は第2社会面に<元局長に証人依頼を・沖縄『密約』で裁判長>の2段見出しだった。司法記者に「情報開示」を求めた異例の裁判との視点があれば、訴訟の本質を読者に伝えるべきテーマであり、『朝日』の記事・扱い方を妥当と考える。

 沖縄県紙はどう報じたか? 『琉球新報』は1面に<国に『十分な説明』要求・裁判長、整合性に疑問呈す>の4段見出し。さらに社会面に<文書『当初は保有?』・裁判長が積極質疑>の4段見出しで関連記事を伝えた。『沖縄タイムス』は1面に<元外務省局長の尋問促す・原告側が申請検討>の4段見出し。これを受けて社会面に<国は米側文書の説明を・裁判所が『異例の指揮』>の4段見出しで報じた。両県紙の問題意識、紙面内容と扱い方に共通点があり、沖縄の〝戦後の苦悩〟の一端を反映しているとも感じた。その記述は、裁判長の発言、姿勢などを客観的に報じており、「沖縄県紙だから…」の誇張がなかった点でも、行き届いた紙面と評価できる。

「沖縄密約」問題をケーススタディーとして考察した論稿であり、新聞の優劣を軽々に論じるつもりのないことを、お断りしておく。ただ、ニュース報道に当たって、思想・信条に凝り固まった判断を下してはならないと思う。ニュースを敏感に捕らえ、問題の背景や真実に迫ることこそ、ジャーナリズム永遠の課題なのである。2009年6月25日 記)

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2009/06/29

読む・読もう・読めば 57

17条憲法の再来?

大川きょう子「幸福実現党」党首のポスターに、「憲法9条改正。北朝鮮のミサイルから日本を守ります。」と書いてある。ノドンが飛んできたらミサイル防衛システムでも防げないと思うが、どうやって憲法改正で防ぐのか。大川隆法「幸福の科学」総裁(幸福実現党創立者)が615日に発表したばかりの「新・日本国憲法試案」を読んでみた。

まず驚いたのはその簡潔さだ。日本国憲法が前文650字弱+103条であるのに対して、この試案は前文83字+16条。厩戸皇子(聖徳太子)がつくったとされる17条憲法にちなんだらしく、第1条には「国民は、和を以って尊しとなし、争うことなきを旨とせよ。また、世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ。」とある。和を尊ぶのも世界平和の建設もまことに結構だが、憲法に冒頭から「せよ」と書かれていると、国民のひとりとして落ち着かない。フランス大革命以来、憲法とは獲得した新政権を守り、かつ独裁権力にならぬよう新政権を縛るものだと思う。国民に命令するものを憲法というのだろうか。

2条は信教の自由。3条以下、国民投票で選出された大統領が国家元首・国防責任者であり、大臣を任免、陸海空の防衛軍を組織する。「大統領令以外の法律」は国民によって選ばれた国会議員によって構成される国会が制定する。大統領令と国会による法律が矛盾した場合は、最高裁長官がこれを「仲介する」が、2週間以内に結論が出なければ大統領令が優先する。最高裁長官は「法律の専門知識を有する者の中から徳望のある者を国民が選出する」。巨大な権力を持つことになる大統領は、よほど立派な人でなければならないだろうが、大川夫妻が大統領・最高裁長官に就任することを想定しているのかもしれない。

幸福実現党の憲法試案を読んでみたが、なぜ憲法を改正すればミサイルから日本を守ることができるのか、よく分からなかったので、同党の「主要政策」を見る。「『毅然たる国家』として独自の防衛体制を築きます。北朝鮮が核ミサイルを日本に撃ち込む姿勢を明確にした場合、正当防衛として、ミサイル基地を攻撃します。」とある。このためには憲法改正が必要、ということらしい。しかし私たちは日本国憲法のもとに「毅然たる国家」をつくる努力をしつつ、「北朝鮮が核ミサイルを日本に撃ち込む姿勢を明確に」することのないようにも努力したい。  2009年6月29日)

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2009/06/25

「2009憲法フェスティバル」を振り返って

いま「憲フェス通信最終号」(5号)の作成に追われています。今年、大勢で参加してくれた高校生からの原稿を2本載せる予定です。どのような原稿が寄せられるのか期待しているところです。昨年の秋に準備を始めてから「憲フェス」の仲間になった方の原稿も載せることが決まっています。来年はどのようなメンバーでどんな企画になるのか・・・・・・。

今年は劇作家であり、作家の竹内一郎作・演出の「リーディング 虎の杖」を上演しました。この「虎の杖」はフィリピンにあったアメリカのクラーク・スービックの両基地を撤退させた話です。基地がなくなったら市民の生活はどうなるのか? 沖縄の米軍基地撤去と通底しています。この戯曲は国家主権の問題を国民生活の視点から描いたものでした。

竹内さんには山口真生さん(弁護士)とのトークにも登場していただきました。山口さんは横田基地公害訴訟弁護団の一員です。お二方を「平権懇」の8月企画にお誘いしています。

普天間かおりさんは、沖縄生まれのシンガーソングライターです。彼女は小さいころから基地を見て生活をしてきました。歌の創作にあたっては沖縄の心を大切にしています。「私の歌を聴いて戦争をしないと思うようになってほしい。それが私の目標です」と語っていたように熱のこもった歌唱でした。熱が入りすぎ「さとうきび畑」を歌った後の語りでは涙ぐんでいました。

金子勝さんは、テレビで見せる顔とは違い、アジテートに近い語り口でした。「バラク・オバマアメリカ大統領はウォール街に取り込まれてしまった。もはや自分たちで世界の経済を考え、新しく構築していく以外に将来の不安は消えない」と語っていました。

「憲法フェスティバル」は市民がプロデュサーとなり「憲法への招待」をキワードに1年に1回の舞台づくりと通年の「よもやま講座」の取り組みを進めています。前述した「通信 最終号」を出した後の7,8月は個々人の活動にもどり、充填機間となります。

9月の「合宿」で翌年の5月の情勢を考えながら内容の討議、議論を行います。今年の取り組み終盤には「もっとアクティブな取り組みが現在の情勢では必要ではないのか」という意見も仲間から出されていました。「合宿」でどのような議論が行われるのか楽しみです。「2010憲法フェスティバル」も「憲法の招待」にふさわしい舞台を創りたいものです。

25回ないし30回にはこれまで憲フェスに出演していただいた方々に、ご協力をいただき過去の出演者がすべて舞台に上る「●●回記念 憲法フェスティバルの仲間たち 未来を切り開こう」という大規模なフェスティバルを夢想しているところです(2009624日 杉山 隆保)

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2009/06/15

読む・読もう・読めば 56

海保ならいいのか

4月23日に衆議院で可決されながら、迷走国会で店ざらしにされていた海賊対処法案の扱いが急転、6月19日に参議院本会議で否決、同日衆院再決議で成立の見込みという。あらためて法案を読んでみると、ソマリアのソの字もない。公海と日本の領海・内水、つまり他国の領海以外ならどこでも海賊行為を取り締まる法律であって地域無限定。期間限定もない。保護対象の限定もないのは、外航船は「日本船」といっても船籍はパナマやリベリアの便宜措置船が多いし、船員も外国籍の人ばかりだからだ。

実際に「海賊行為に対処」するのは海上保安官と自衛隊員の共同作業になる。目玉は第6条の武器使用基準だ。警察官職務執行法7条の準用は、①犯人の逮捕または逃走の防止、②自己もしくは他人に対する防護、③公務執行への抵抗の抑止、の3ケースで、基本は威嚇射撃だが、④正当防衛・緊急避難、⑤相手が死刑・無期・3年以上の懲役・禁固刑に該当する凶悪犯罪を犯した時、⑥逮捕・拘留に際し第三者から抵抗を受ける時の3ケースでは、危害射撃ができる(相手を死傷させてもやむを得ない)。さらに今回は、⑦相手船の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるとき、⑧その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、でも武器使用ができる。⑧など、いくらでも恣意的に解釈できそうだ。

国連平和維持活動の武器使用には2タイプがあり、この分類でいえばこれまで自衛隊はaタイプ、つまり自己保存のための武器使用しか認められていなかった。昨年のテロ対策補給支援法でも「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理下に入った者」まで守る範囲を広げたが、aタイプの範囲内だった。それが今度はbタイプ、つまり任務遂行にあたり妨害者と戦うための武器使用が解禁されることになるのではないか。

じつは海上保安庁は自衛隊に先立って、任務遂行のための武器使用を認められていた。1999年3月に巡視船15隻を出動させながらに能登半島沖で不審船を取り逃がしたことの反省から、01年11月2日に海上保安庁法を改正し、20条2項に上の⑦⑧を加えていたのだ(ただし日本の領海・内水で、という限定つき)。これを根拠に翌月、九州南西海域で不審船と銃撃戦を行い、不審船は自爆して乗員全員が死亡した。

海上保安庁は本来、海における国境紛争を戦闘行為にエスカレートさせないために、海上自衛隊に先立って創設されたはずだった。だから海上保安庁法25条には「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と明記されている。その海上保安庁がいまや1000トン、2000トン級の大型船を持ち(プルトニウム輸送船の護衛用に建造された巡視船「しきしま」は6500トン)、40ミリ機関砲を積む。その海保が領海外で自衛隊と共同して事実上の戦闘行為をするようになる。  (2009年6月15日)

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2009/05/28

読む・読もう・読めば 55

「あたご」事件最終報告を読む

防衛省は522日、イージス艦「あたご」による漁船沈没事件の事故調査「最終報告」書を公表し、同時に事件関係者38人を懲戒処分とした。報告書は昨年321日の「中間報告」(本コラム第28回で取り上げた)に比べてはるかに詳細であり、また122日の海難審判裁決を尊重して、事故の主因は「あたご」にあるとの認識を前提としている。自衛隊が「自分が悪かった」と認めているわけだから、これから始まる刑事裁判も最初から勝負はついていることになる。しかし、裁判ですべてが明らかになり、再発防止に大いに役立つかといえば、そう安心はできない。

報告書を読むと、艦内での乗員の弛緩ぶりがよく分かる。第2当直士官は「雨も降っていないのに見張り員が艦橋内にいることに違和感」を持ったが、所定の位置に戻るよう指示しなかった。警報装置は「作動するような設定となっていなかった」。レーダー上で見つけた目標にシンボルを付けたが「画面が見づらく目標の情報表示が繁雑になると思い」消去した。当直体制を変え当直員を減らしたのは、ハワイで行われた「装備の確認試験」(つまりイージスシステムのチェック)の報告書を書くのに忙しかったからだった。078月の「訓練練度の評価試験」では、事故時とたまたま同じメンバー、同じ順序で当直の交代があり、「視界不良時の見張りへの指示」や「目標の確認」が要改善事項として指摘されていた(のに改善されず事件は起きた)。

事故の「直接的要因」を2点、「間接的要因」を7点挙げているが、見張り員が所定の場所にいなかったことも、自動操舵を続けていたことも、警報装置が作動しなかったことも、艦長が仮眠中だったことも「事故の要因とは考えられない」という。このあたりは海難審判裁決に助けられたような感じだ。

まだ明らかにされていないというか、まったく問題にされていないことも多い。通報の遅れは重大問題ではないか。救難体制に不備があったのではないか。事件当日「あたご」に発着した3機の自衛隊ヘリは何を運んだのか。レーダーの記録がないのは何故か。そして何よりも、衝突回避の行動を取らなかったのは、軍の驕りがあったからではないのか。等々。88年の「なだしお」事件のとき、航泊日誌の改竄を朝日新聞がスクープしたのは、海難審判2審の審理中だった。「あたご」事件でも、まだこれから明らかになることがあるはずだ。

38人の懲戒処分者中、氏名が公表されたのは4人。海難審判の指定海難関係人と同じ。艦長と事故時の当直士官が停職30日、事故前の当直士官が停職20日、船務長が戒告だった。「なだしお」艦長の休職処分に比べても、いかにも軽い。   2009528日)

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2009/05/15

読む・読もう・読めば 54

清志郎さんゑ

5月9日に青山葬儀所で行われた「忌野清志郎 AOYAMA ROCK’N ROLL SHOW」=葬儀には4万人を超えるファンが参加したという。「雨上がりの夜空に」を含む彼の代表曲が演奏され、参加者が唱和したのは、常識的には不謹慎だろうが、舞台ではもっぱらヒンシュクを買うことに賭けてきたロッカーの送られ方として、本人に異存はなかろう。 「君が代」のパンクロック・バージョンを含むアルバム『冬の十字架』がポリドールから発売中止になり、自主制作で世に出たのは99年だった。歌詞は正確で演奏はぐっちゃぐちゃの「君が代」のエンディングに「星条旗と永遠なれ」のメロディーが入っているのは、日本の米国への従属状態をおちょくったものか、とも言われた。清志郎さん本人は「ジミ・ヘンドリックスを尊敬してるからさ」と説明した。69年の(あの伝説の)ウッドストック・コンサートのトリでジミヘンがぐっちゃぐちゃの「星条旗よ永遠なれ」を演奏したことに倣ったのだから、立派に説明になっている。

清志郎さんの歌のほとんどは「分かりやすい」愛の歌というか、高校生がノートの端っこに書いた程度のものだ。ロックを日本語で明瞭に歌うこと、イントネーションに合わせて曲をつくることに拘ったことからすると、意識してのことか。あまり歌われなかったようだが、「善良な市民」などはやや異色かつやや生硬だ。「泥棒が 憲法改正の論議をしてる/コソ泥が 選挙制度改革で揉めてる/でも善良な市民は 参加させてもらえず/また 間違った人を選ぶ」

また、07年に小学館文庫で再刊されて最後の著書になった『瀕死の双六問屋』の一節にこうある。「この国の憲法第九条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか? 戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。俺達はジョン・レノンみたいじゃないか。戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう。きっと幸せになれるよ。」

喉頭癌を病んだ清志郎さんが手術を拒み代替療法を選んだのは、歌えなくなることを恐れたからだという。声が出なくてもギターがあるじゃないか。いったん「完全復活祭」をした彼の癌は再発した。命より歌、という彼の選択が切ない。  (2009年5月14日)

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2009/05/08

「憲法フェスティバル」のコンセプトは「活かせ! 憲法」

昨年末には「年越し派遣村」が日本中で話題になりました。「春の派遣村」もマスコミが大きく取り上げています。定額給付金の支給や巨額の財政出動は本当に景気回復に繋がるのか。年金制度は大丈夫なのか? いま憲法と国民生活の結びつきが問われています。

今回上演する竹内一郎作・演出の「虎の杖」はフィリピンにあったアメリカのクラーク・スービックの両基地がフィリピンから撤退した話です。国家主権の問題を国民生活の視点から描いたものです。

普天間かおりさんは沖縄生まれのシンガーソングライターです。彼女は小さいころから基地を見て生活をしてきました。歌の創作にあたっては沖縄の心を大切にしています。普天間さんの歌唱力は雄大にして繊細と評されています。

金子勝さんは先日、NHKの「クローズアップ現代」に登場して「派遣労働者はなぜ、農業労働者に転換できないか」を説明していました。全国の農業現場を見ての分析です。金子さんの研究スタイルの特徴はフィルドワークです。多くの国民は不況の中で働いても働いても苦しい生活を強いられています。金子さんの講演に期待されているのは国民生活の建て直し策です。金子さんは、その豊富なフィルドワークから回答を示してくれるはずです。

ぜひ、チケットをお買い上げいただき、ご来場ください。素晴らしい舞台をお届けできますように努力中です。

■連絡先(杉山) メールアドレス nora@cityfujisawa.ne.jp

緊急の場合 takayasu.sugiyama@mbx.mainichi.co.jp

携帯電話 090-5341-1169(午後1時10分~)

2009憲法フェスティバル実行委員会
〒102-0071 東京都千代田区富士見町2-7-2 ステージビル1706 南北法律事務所気付
電話/ファクス 03-3263-6264
ホームページ  http://www.kenfes.com/

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2009/05/07

■「宇宙基本計画」案にパブリックコメント(意見書)を送ろう!

【緊急呼びかけ】 [締め切りは5月18日](転載)
 
宇宙の軍事利用への道を阻むために

わずか4時間の審議を経て、自公民3党などの賛成により08年5月に「宇宙基本法」が成立しました。08年8月には内閣に宇宙開発戦略本部が発足し、御用学者らを動員した「宇宙開発戦略専門調査会」(座長:寺島実郎氏)などで議論が進められてきました。そして、4月27日に「10年程度を見通した5年間の政府の施策」をまとめた「宇宙基本計画」(案)が公表され、4月28日から「パブリックコメント」の募集が始まっています。【締め切りは5月18日(月)必着】となっています。

「宇宙基本計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/090428pc.html

送付先メールアドレス → i.space-goiken@cas.go.jp

<タイトルは「宇宙基本計画(案)に対する意見」>

【パブリックコメント】とは、行政手続法により法制化されているもの
で、意見公募手続とも呼ばれます。集まった意見を反映させるとの趣旨ですが、実際にどのように考慮されたのかは不透明で、「はじめに結論ありき」だとの批判もあります。また、計画策定に国会の関与が保証されているのかも素朴な疑問です。しかし、限界はありつつも、法的に保証された意見表明の場を最大限に活用し、主権者としてその結果の反映を要求すべきだろうと思います。

◇宇宙基本計画(案)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/keikakuan.pdf

◇宇宙基本計画(案)の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/senmon/dai7/se7_siryou2-1.pdf

計画案は長文で、読み通すにはかなりの忍耐力が必要です。概要も圧縮し過ぎで文字が細かいため、決して読みやすいものではありません。宇宙開発戦略本部での今までの議論に関心のある方は以下もご参照を。

◇宇宙開発戦略本部 開催状況
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/kaisai.html

この宇宙基本計画(案)の最大の問題点は、公然たる宇宙の軍事利用に道を開くことです。宇宙の軍事利用に反対する声を1通でも多く届けることが必要です。「我が国宇宙政策史上初の試み」(基本計画案)、「1969年の宇宙開発事業団設立以来の、大変革」(松浦晋也氏、宇宙ジャーナリスト)とも言われています。この機会に、一人ひとりが【それぞれの言葉で】メッセージを届けることが大切です。以下に具体的なポイントをまとめてみましたので、意見を書かれる際の参考にしてください(コピーは避けてください)。
 
なお、宇宙の軍事利用については、年末に閣議決定される予定の新「防衛計画の大綱」と新「中期防衛力整備計画」にも盛り込まれようとしています。策定を主導する首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」には、宇宙基本計画策定の大黒柱でもある青木節子氏(慶応大学)が入っています。この懇談会の動きに対しても監視が必要です。

安全保障と防衛力に関する懇談会
http://202.232.58.50/jp/singi/ampobouei2/index.html

【呼びかけ】核とミサイル防衛にNO!キャンペーン 
(E-mail)kojis@agate.plala.or.jp    (TEL・FAX)03-5711-6478
(HP)http://www.geocities.jp/nomd_campaign/
(第2HP)http://www.anatakara.com/petition/index2.html
[郵便振替] 00190-0-608393  ピース・チェーン・リアクション
(通信欄に「キャンペーン」と付記を)

【参考】宇宙基本計画(案)の問題点…………………………………………
☆「天空の軍需利権より、地上の生存権を!」

1.最大の血税浪費プロジェクトへの着手=「ミサイル防衛」(MD)用の早期警戒衛星の開発に向けた赤外線センサー等の研究

軍事利用の目玉として、自民党の国防族が導入を声高に叫んでいるものです。計画案には、「早期警戒機能のためのセンサの研究及び宇宙空間における電波情報収集機能の有効性の確認のための電波特性についての研究を着実に推進する」(P21)と書かれています。巧妙かつ悪質なのは「森林火災の探知など多目的な利用も可能」として、「防衛目的の機能と他目的の機能を併せ持たせるデュアルユースの可能性」(P27)などを探るとしている点です。

新聞各紙にも「衛星を導入しても自前の解析装置を持たなければ独自運用は不可能」(産経、4月25日)、「人材の育成などで、実際の運用までに10年はかかるとみられ、必要な予算も数千億円を超えそうだ」(朝日、同日)など費用対効果を疑問視する意見が見られます。東京新聞政治部の三浦耕喜記者は、「火事場の議論でいいのか」とのサブタイトルを付けた5月4日付の「記者の眼」欄で「ミサイルの熱源だけを宇宙から識別する技術は日本にとって未知の分野。導入まで何年かかるか分からない。多くの若者が、老人が、母子家庭が生活に苦しんでいる中で、数千億円を新たに費やす価値があるのか」と主張しています。共感します。
MD自体が、日米の「軍産複合体」を喜ばせるだけの無用の長物であり、更に莫大な血税を投入する早期警戒衛星の研究などもっての他です。 

[参照]毎日新聞5月6日 社説:「早期警戒衛星 拙速の導入論は避けよ」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090506k0000m070111000c.ht
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2.税金無駄使いの「GXロケット」と準天頂衛星は日米軍事協力も促進
 
中型ロケットであるGXロケットは、開発費が膨れ上がるなど問題が山積し、開発中止寸前だったものです。主契約企業のIHI(旧石川島播磨重工業)と河村建夫官房長官をはじめとする自民党国防族が、偵察衛星などの軍事衛星打ち上げを担う「安全保障ミッション」を軸に開発継続を狙っています。08年11月4日の宇宙開発戦略本部「専門調査会」会合では、IHIの担当者が「実証試験機の打ち上げ射場として米バンデンバーグ空軍基地を使用することにより、日米防衛分野の相互運用性の確保につながる」という趣旨の資料を配布しました。
計画案では、「全体計画・所要経費の見直しの点において考慮すべき課題が残っている」として、2010年度概算要求(この8月末!)までに「開発着手に関して判断を行う」(P35)としています。

準天頂衛星も開発が難航しているプロジェクトの一つです。これは日本版GPSとも言われるもので、米国のGPS(全地球測位システム)を補完・補強することも目指されています。カーナビなどで知られるGPSですが、誘導爆弾を多用する現代の米軍の戦争に不可欠のシステムです。ほとんど伝えられていませんが、準天頂衛星も防衛省による軍事利用が前提となっています。オバマ新政権の東アジア・太平洋担当の国務次官補に就任するカート・キャンベルらが03年7月にまとめた「日米における21世紀の宇宙政策」という提言でも、GPS分野での緊密な日米協力が提唱されていました。GXロケットも準天頂衛星も、即刻開発を中止すべきです。

3.偵察衛星の増強は「血税のブラックホール」を拡大する

「情報収集衛星」という名の偵察衛星について、計画案では、「今後、5年内に地球上の特定地点を1日1回以上撮像し得る4機体制を実現する」(1機が故障したため、現在3機)としたうえで、「より高い撮像頻度」と「商業衛星を凌駕する解像度」を目指すとしています(P20)。しかし、軍事以外の用途として「大規模災害等への対応」を掲げているにも関わらず、今まで偵察衛星の情報は一切開示されていません。既に数千億円が費やされてきたにも関わらず、完全秘密の「ブラックホール」と化しています。費用対効果の検証さえ不可能な偵察衛星は、三菱電機など受注企業に奉仕するだけの利権衛星に他なりません。増強ではなく廃止すべきです。

4.資源目当ての植民地主義=月探査ではなく「月協定」の批准を!

計画案では「有人を視野に入れたロボットによる月探査」(P30)が掲
げられ、1年程度をかけて総合的に検討するとされています。毛利衛氏(かつてスペースシャトル「エンデバー」で米軍の軍事観測ミッションに参加)の発案によるものです。これは、「天空の資源採掘」(月には、地球にほとんど存在しないヘリウム3が存在するとされ、核融合原子炉の理想的な燃料源となるとも言われている)を視野に入れた利権重視のプロジェクトではないでしょうか。貧困が拡大する時代にあって、こうした企てに巨額の税金を投入することは誤りです。
日本政府はまず、国家や企業、個人による月面の領有を否定し天然資源開発を制限した「月協定」(1984年発効)を批准すべきです。そのうえで、米国をはじめとする「宇宙大国」にも月協定批准を働きかけ、安易な資源獲得競争自体の見直しを呼びかけるべきです(2008年時点で批准は13ヶ国)。

<月協定>
JAXA(宇宙航空研究開発機構)ウェブサイト内「世界の宇宙法」ページhttp://stage.tksc.jaxa.jp/spacelaw/index.html を開き、左下の「国際宇宙法」の欄の「宇宙5条約」をクリックすると邦訳(及び英文)が掲載

5.「夢とロマン」で浪費をごまかす国際宇宙ステーションの茶番

若田光一宇宙飛行士を広告塔(非人間的な人体実験でもある)として、盛んに国際宇宙ステーション(ISS)や日本の実験棟「きぼう」の宣伝が繰り広げられています。しかし、宇宙開発戦略本部の専門調査会の場ですら「どのような実験をしているのか、中長期的な目標や中身がよく分からない」(2月5日、第4回会合議事要旨)との意見が出ています。ブーメランを飛ばしてみたり、本当に意味のある実験がなされているのか大いに疑問です。予定されている宇宙実験には、もはや時代遅れとなったものがあることも指摘されています。
 日本の納税者は既にISSに対して6800億円以上を投じさせられており、やがて1兆円に達する見込みです。計画案もふれているように、ISSの運用については、国際的にも2016年以降の計画が具体化されていない状況です(P7)。「夢とロマン」でごまかしながら、惰性で巨額の税金投入を続けるのではなく、撤退も視野に入れた根本的な見直しが不可欠でしょう。

6.ロケット打ち上げによる環境汚染を調査し、データの公表を!

ロケットとジェット燃料から排出される過塩素酸塩という物質が、人体や環境に有害であることが明らかになりつつあります。米国では専門家が警鐘を鳴らし、大きな問題として浮上しつつあるようです。日本も例外とは言えないでしょう。打ち上げ射場となっている種子島宇宙センターは、近くに漁場も存在します。米国の事例を調査、分析しながら、日本においても本格的な調査を開始し、その結果を速やかに公開すべきです。
ちなみに、過塩素酸塩による環境汚染を危惧する声は、海自イージス艦による迎撃ミサイルSM3の実射試験に反対するハワイ先住民からも上がっていました。

無視されているロケット燃料の有毒性
(「グローバル・ネットワーク」ニュース、2009年3月30日)
http://www.anatakara.com/petition/toxic-rocket-fuel-problem.html
ロケット燃料に含まれる有毒な化学物質:EPAがガイドライン (WIRED VISION  2005年2月23日)
http://wiredvision.jp/archives/200502/2005022302.html
FDA調査「ロケット燃料が国内の牛乳とレタスを汚染」
(WIRED VISION  2004年12月2日)
http://wiredvision.jp/archives/200412/2004120201.html

7.宇宙への兵器配備を禁止する新宇宙条約制定に向けたイニシアチブを!

1967年に締結された宇宙条約は、核兵器など大量破壊兵器の宇宙空間への配備を禁じているものの、通常兵器の宇宙配備を禁止していないという限界があります。そのため、ジュネーブ軍縮会議などの場で、カナダや中国、ロシアなどが宇宙へのあらゆる兵器配備を禁止する厳格な新宇宙条約の制定を呼びかけてきました。しかし、今まで米国は強硬に反対しています(もちろん、中国の衛星破壊実験も許されません)。
計画案ではスペースデブリ(宇宙ごみ)対策等への言及(P7)はあるものの、新宇宙条約制定についてはふれられていません。日本は、「宇宙の平和利用原則」を安易に葬り去るのではなく、そのグローバル化こそを呼びかけるべきでしょう。新宇宙条約制定に向けてイニシアチブをとることを宇宙基本計画に明記すべきです。そのためにも、計画案から宇宙の軍事利用の側面を一掃するくらいの根本的見直しが必要でしょう。    
[宇宙兵器配備を禁じるための方策については『宇宙開発戦争』(ヘレン・カルディコット他、作品社)を参照してください。]

[参照サイト]宇宙基本計画(案)へ意見書を送ろう!:石附澄夫さん
http://homepage2.nifty.com/space_for_peace/indexmain1.htm 

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2009/05/01

運営委員会

次回、運営委員会は6月5日午後6時20分、毎日新聞社受付集合です

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