読む・読もう・読めば10 町の図書館
窓社から7月15日に発売予定の細江英公写真集『死の灰(http://www.mado.co.jp/)普及の手伝いをして、世界の図書館について調べた。この写真集は、ポンペイ、アウシュビッツ、トリニティ・サイト、ヒロシマを結ぶ取材の総決算として、天災としてのポンペイを核戦争の人災で全地球規模で再現するような愚行を止めようとするものだ。予価3800円と一般書籍と比べると高価だが、2冊セットで購入していただき、うち1冊を世界の公共図書館、とりわけ核保有国の図書館に寄贈する運動ができないかと考えている。
ありがたいことに Libweb Library Servers via www というウェブサイトがあって、145か国7700の図書館のHPがリストになっており、しかもデータは毎日更新だ。本を郵送するために住所録のようなものを作ろうとすると、それぞれのHPを開いてみて、そのどこかに記載されている所在地・電話・ファクスのデータを転記していく必要がある。けっこう面倒だが、けっこう楽しい。というのは、HPをざっと見るだけで、それぞれのライブラリアンの心意気のようなものを感じ取ることができるからだ。
米国の公共図書館、日本でいえば町立・市立のようなものは、そう大規模ではなくてもみなサービスは充実している。障害者対策、マイナーな人々への配慮、読書会や展示会の開催、そして「何でも聞いてください、一緒に調べてみましょう」という態度が明らかなこと。図書館まで行かなくてもEメール、電話、ファクス、郵便で相談できる司書の名前が明記されていて、それも大人の相談を受けるのと子供の相談を受けるのはそれぞれ別の係だ。図書館司書が町の文化人として尊敬されているのは、リリアン・J・ブラウンのシャム猫ココシリーズや、ジェフ・アボットの図書館シリーズに描かれたとおりなのだろう(ミステリばかりですみません)。
所在地を写し取っていると、その町の「メインストリート○○番」というアドレスが多いのに気づく。まるで西部劇のようだ。町役場があって、教会があって、酒場があって、保安官がいる、というような。いまや図書館もその町の表通りにあって、親切な司書がいる。アメリカ民主主義の底力を見る思いがする。
(大内要三 2007年6月28日)
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