自衛隊イラク派兵違憲訴訟 定点報告11
「京都訴訟 控訴審」で証人しらべへ
11日に大阪高裁で控訴審が行われました。
出口弁護団長は「父は敗戦直前に出航がストップとなり、死なずにすんだが、おじは戦後、精神に異状をきたした。東京空襲、広島の原爆の写真が戦争を表している。だからこそ日本国憲法ができたのではないのか。今、イラクは全土が戦場である。米軍の爆撃は日本の空襲と同じである。空襲は無辜の殺傷であり、空自は、その米軍の共犯者となっている。ブッシュのイラク戦争は現代社会の原罪であり、私たちの良心のうずきとなっている。憲法にも、イラク特措法にもたがうイラク派兵という政府の暴走に、司法が司法あらしめるためにも憲法違反と認め、差し止められなければならない」。
弁護団はパワーポイントで映像を示しながら主張を展開しました。
第1 はじめに/ 第2 イラクをめぐる実情/第3 イラクにおける自衛隊の活動実態/第 4まとめ――でした。
その大まかな内容は、米軍の残虐行為として劣化ウラン弾の使用とその影響。クラスター爆弾、白燐弾の使用。ファルージャの虐殺。アルグレイブ刑務所での虐待。イラク国民の犠牲。米兵の死傷者。陸上自衛隊の給水活動の非貢献性。陸自の重装備。インド洋での海上自衛隊の給油の8割5分はイラク攻撃の給油。航空自衛隊の活動は米軍イラク攻撃の兵站活動そのもの。自衛隊の活動は米軍のイラク戦争イラク攻撃に加担しており、9条違反であり、即時撤退を求める――というものでした。
控訴人の岩井忠熊(立命館大学名誉教授・日本近代史)さんは「日本は台湾出兵から太平洋戦争まで、15回にわたる出兵をしている。これは5年強に1度の出兵(戦争)であり、海外からの侵攻は1度もなかった(米軍の反撃はあったが)。今回のイラク派兵が日本の海外派兵の蟻の一穴となることを恐れる。歴史研究者として、若者に歴史の教訓を伝えてきた。裁判官の皆様は憲法の平和主義にのっとって自衛隊のイラク派遣を差止る判決を求める」と、述べました。
井坂洋子さんは「夫の父親が学徒動員で、広島で被爆している。被爆者の多くは、何年たってもその苦しみから逃れられないという。日本軍は何をしたのか、と韓国のカッコ『ナノムの家』を尋ね、毎日毎日レイプされ続けたパク・オクスンさん(81歳)の話を聞いた。イラクでは毎日、子どもたちが傷つけられ、殺されている。“子どもたちのピースフェスタ”で子どもが『おばちゃん、戦争どうやったらなくせる』と聞いてきた。この戦争をやめさせることは大人の責任です」と訴えました。
佐藤佳久さんは「言うまでもなく戦争は決して自然現象ではありません。権力者が政治的意図をもって始めるものであり、その本 当の意図を隠すために、彼らは戦争がいかに「正義であるか」を宣伝し、人心を引きつけ、戦争に引き込んで行きます。その過程で戦争勢力は必ず戦争反対を唱える抵抗勢力の言論・表現の自由を抑圧し、謀略や弾圧によって圧殺しようとしてきたことは、歴史が証明しています。……私は恒久平和を誓った日本国憲法を踏みにじる政府の軍事行動を絶対に容認することはできません。一刻も早く自衛隊をイラクから全面的に撤退させるよう強く求めます」。 (陳述書の9行転記)
休廷後の法廷で裁判長が上田勝美(龍谷大学名誉教授)さんを証人採用して法廷は終了しました。
次回の控訴審は11月6日(火)午前10時から大阪高裁202法廷で行われます。
●「イラク自衛隊派兵違憲裁判の会・静岡」「イラク派兵違憲訴訟の会・東京」の両会は解散しました。(2007.9.18 杉山 隆保)
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