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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2007/10/22

池田龍夫「軍事機密と報道規制、市民監視」④

Ikeda002_2 航海日誌の分析から

さらにすごい話が出てきたのが、NPO法人ピース・デポの調査ですね、代表の梅林宏道さんが精力的に追跡した結果を暴露しました。米空母「キティホーク」の航海日誌をずっと分析した結果、大変なことがあるのを見つけて、この920日と104日に記者会見をして、発表したんです。新聞各紙はいちおう掲載していますが、詳細ではありません。ただし朝日新聞の104日朝刊オピニオン面をご覧になると、梅林さんの署名記事でかなり詳しく報道されています。それは、こういう疑惑です。大要を紹介しましょう。

「洋上給油がピーク時の頃、2003215日に海自の給油艦『ときわ』が米国の給油艦『ペコス』という給油艦に80万ガロンの燃料を給油した。そのペコスがキティホークに直行して、その日に給油していたことが判明した」。

アメリカは情報をかなり開示しますから。航海日誌から解読したわけです。キティホークはインド洋からアラビア海、それからホルムズ海峡を通ってペルシャ湾に行った。そしてイラクの南方監視作戦(OSW)と、イラク自由作戦(OIF)に従事したとの分析に信憑性があります。

日本政府は当初、この時の提供量を20万ガロンとしていましたが、梅林さんが記者会見で指摘した翌日の921日に誤りを認めて、「実は80万ガロンでした」と訂正したんです。

これは梅林さんが言っていることですけれども、ペルシャ湾に入ったキティホークがアフガンの対テロ活動に従事したと主張するのは困難だろうと。要するにインド洋からなら艦載機がアフガンに行けるけれども、ペルシャ湾まで行くとイランを飛び越えないとアフガンに行けない。だからこれをアフガンの作戦だと言うことは、ちょっと無理なんじゃないのということですね。福田政権はこの点の疑問を晴らせないと、とてもじゃないよという指摘を梅林さんはされている。私も梅林さんと全く同意見です。はっきりしない以上は給油を継続できないことになるだろうと思いますね。

1010日の予算委員会で菅直人議員が洋上給油問題で福田首相に鋭く迫りました。03年に「20万ガロン」と答えた時の官房長官は、なんと福田現首相だったのです。その時に野党もいいかげんだったと思いますけれども、政府がズサンな説明をしながら、テロ特措法の2年延長をやったんです。これもおかしい話です。ところが今回は、菅氏に食い下がられて、福田首相も「その発言を撤回します」と言った。撤回せざるを得ないですよね。

その後、石破防衛相が立って、こういうことを言ったんです。「間接給油された米空母が、ペルシャ湾で活動していたことは認める」と。けれども、「イラク戦への燃料転用はありません」と言うわけです。「転用がありました」と言えば福田内閣が吹っ飛んじゃうから、いくら追及したって「転用しました」とは認めないと思いますよ。

日本政府はそう言い逃れるにしても、それに符節を合したように米国の国防省が10日にワシントンで日本人記者会見をして、「キティホークに給油した燃料はアフガニスタンでの不朽の自由作戦で使用されたものだけなんでしょうか」という質問に対して、「イラク戦争に転用した事実はありません」と答えています。日米両政府が口裏を合わせたんじゃないかと私は思いますけど。

国連総会で感謝決議をして欲しいと、日本外務省が働きかけたものですから、国連は感謝決議を文言として入れました。しかし、「インド洋給油ありがとう」ということは書いてないそうです。「テロ撲滅に協力していただいてありがとう」というだけの感謝決議です。これを有り難がっている日本政府が滑稽に思えます。

新聞はどう書いたか

この問題について新聞は、いちおう報道はしていますが、追究の姿勢が足りないと感じます。洋上給油を中断すると、日米関係がおかしくなるんじゃないかという、一部の新聞論調が気がかりです。

こういう議論があるんですよ。6年間の給油費額はたかだか220億円、たいした金じゃないよと。日本人はアフガンに行って戦闘してない、イラクでも戦闘をしないんだから、これは保険をかけたようなものなんで、これで済めば結構な話じゃない、と。そういう議論がまかり通るわけです。これは金額の問題じゃなくて、ひいてはイラクの市民を虐殺するところに繋がっていく、加担しているという認識がないと、80兆円もある予算のなかで220億円くらい出してやったっていいじゃないということになる。これは全くおかしな話なんです。日本としてはすでにアフガン復興に協力して、給油とは別に2000億円前後の金を注ぎ込んでいるんです。そういう状況を詳しく指摘せず、疑惑を精査する努力もしないで流されていく新聞報道は、やはりおかしいのではないかと私は心配しています。

そんな時、朝日新聞1011日の社説がわりにきちんと書いてくれたのでホッとしました。この社説ではこういうことを言ってるんです。「空母の艦載機がペルシャ湾からアフガンまで飛ぶには、イラン上空は飛べないから、一度またホルムズ海峡を南下してインド洋から行かないといけない。それもおかしな話ですね」と。それから、「そもそも空母がイラクに向かってペルシャ湾を航行すること自体が、イラク作戦のための行動であり、テロ特措法の目的から外れているように見える」と指摘しています。明らかにそうですね。朝日は続けて「給油を受けた米艦の6割が補給艦である」と。それがキティホークに給油されたかどうか、給油活動の全容のデータが開示されなければ判断のしようがありませんと書いてるんです。これは正しいと思うんです。

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