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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2007/10/21

池田龍夫「軍事機密と報道規制、市民監視」③

江田議員の爆弾発言

福田新政権になって特に問題点がクローズアップしてきており、その〝第1弾〟を投じたのが、江田憲司・衆院議員。神奈川から出ている無所属議員で、橋本龍太郎・元首相の秘書官だった方です。田原総一朗氏が司会するテレビ朝日「朝まで生テレビ」という番組がありますが、その831日深夜から91日早朝にかけての番組に江田さんが出演。その席で、「こういうアメリカのホームページがある」と爆弾発言したのが、いま国会で問題になっている「間接給油」疑惑なんですね。

江田さんのブログから、さわりの部分を報告しておきます。

「自衛艦による燃料補給は、インド洋の海上阻止行動、『不朽の自由作戦』(これはアフガン向け作戦)にとどまらず、イラク戦争、『イラク自由作戦』に従事する艦船にも、間接給油されているのではないかとの強い疑念を提起した」。

ブッシュ米大統領は2001911日のテロ直後に、「皆さん、一緒になってテロと戦いましょう」と演説しました。憎っくきテロを追い詰めるために各国が兵を出して下さいと。それに乗っかったのが小泉純一郎首相でした。その時に「ショー・ザ・フラッグ」という言葉が流行りましたね。当時の柳井駐米大使が、日本は湾岸戦争できちんとやらなかったため非難を浴びたので、今回は早くショー・ザ・フラッグすべきだと言ってきました。ショー・ザ・フラッグのために何がいいかということで、打ち出されたのがインド洋における給油活動だったわけです。

トントン拍子に話が進んで、11月にはもうテロ特措法は成立しました。あっという間のスピードで、2年間の時限立法が成立しました。これは憲法違反であることは明らかでしたけれども、結局、多数の力で強引に成立させて、自衛隊艦艇がインド洋に行ったわけです。いま民主党の小沢代表が、「このことは国連決議に基づくものでもないし、アメリカの戦略に協力している、しかも自衛隊を海外派兵すること自体が憲法違反である」と言っていますが、この解釈は絶対正しいと思います。けれども、インド洋給油は既成事実になってしまった。それがズルズルと、6年間も続いているわけですね。

江田さんは、米軍のホームページから得た情報に基づいて指摘しています。米国の海軍中央司令部&第5艦隊のホームページにアクセスして得た情報なのです。私はすぐ毎日新聞防衛担当の辣腕記者に連絡してアドレスを聞き、このホームページにアクセスしてみました。ところが、江田さんの問題提起のあとアクセスできず、見られませんでした。それほどアメリカ側も、ああいう事実が出ることを恐れたと思います。このあわて振りを見ても、間接給油は事実としてあったと推測されます。

「日本が提供した燃料は、不朽の自由作戦開始以来、86,629,675ガロン、7600万ドル相当。換算すると33万キロリットル、80億円になる」ということを米軍のホームページで見て、江田さんが「朝まで生テレビ」で言ったので、衝撃が走ったわけです。

江田さんはそれがイラク戦争に使われたなどと短絡的なことは言っていないのですけれども、要するに油ですから、間接給油されたら、イラクに行こうがアフガンに行こうが選別できませよね。マネーと同じですね。ロンダリングされちゃえば分からない…。江田さんも言ってます、「イラク、アフガン渾然一体となった統計の数字ではないか」と。しかし渾然一体となっちゃ困るわけですね。

シーファーというアメリカ大使が小沢氏に会った時に「情報開示します」と言っており、江田さんも「機密情報を含めた情報開示をすると言明しているのだから、国会で徹底的に真実を解明していきたい」と言ってるんですね。さらに江田さんは質問主意書を出してるんです。それに対して政府は102日の閣議で、どう答弁するかを決定しました。そこでアメリカに給油した合計385000キロリットルのうち、洋上警備に当たっている米駆逐艦への直接給油より、米補給艦への間接給油がはるかに多い実態が明らかになってきたわけです。空母キティホークに間接給油され、イラク作戦に流用されているんじゃないかと。この指摘は当たっていると思うんです。

今まで新聞は多少小出しには書いていますけれども、実際の洋上給油はこういう状況であって、こんなに無駄遣いしているというはっきりしたデータを、読者に分かるように報道してないんですよね。私も多少イライラして、防衛庁ホームページを検索したり広報部に聞いて数字などを確認しました。

私がつい最近調べた数字を申し上げておきますと、200112月の給油開始時から今年の830日までに海自補給艦が提供した給油量の合計は484000キロリットル、これは防衛省の発表ですが、このうちの79.5%に当たる385000キロリットルが米艦船向け。ですから、フランスやイギリス、いろいろ艦船に補給していますが、アメリカの艦船が圧倒的に多いんです。6年間に日本が無料ガソリンスタンドで供給した合計金額は、現段階では220億円。そのうちの162億円分がアメリカの艦船に渡っているということになるわけです。だから、いかにアメリカが得しているか…。海上自衛隊の補給艦のところに行けば、タダで燃料がもらえるわけですからね。

国連の感謝決議が出ましたけれども、感謝するに決まってますよね。タダでもらえるのだから。油がなくなってもいちいち港まで行って給油してくる必要がないわけですから。とんでもない話ですが、あまり情報開示しないからよく分からなかった。ここにきて、わりにはっきり情報が出てきました。

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