2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

« イラクの現状報告と記者会見 | トップページ | 「松尾高志著作集」刊行にあたって »

2007/11/29

読む・読もう・読めば 20

一般国民の正義

ジャーナリストの大多数は、不特定多数の人々に対して、これだけは伝えたい、これだけは読み取ってほしい、という思いで書いたり発言したりしているのだ。だからいちばん不愉快なのは、「大衆はバカだから分かるわけがない」と断定されることだ。

次々と著作を世に出している起訴休職中外務事務官、佐藤優氏(鈴木宗男議員の事件に関連して起訴された)の透徹した頭脳と鋭利な文章には感心するが、違和感を覚えるのは、例えば彼の最初の著書『国家の罠』の次のような箇所だ。田中真紀子外相によって日本外交が混乱していたころのこと。「新聞は婆さん(田中真紀子氏のこと)の危うさについてきちんと書いているんだけれど、日本人の実質識字率は五パーセントだから、新聞は影響力を持たない。ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく。残念ながらそういったところだね。」幸いにこれは佐藤氏自身の発言ではなく、彼の「信頼する外務省幹部」の発言である。

しかし同じ本の別の箇所では、検察官との会話で、同じようなことが語られる。検察官「僕たちは、法律専門家であっても、感覚は一般国民の正義と同じで、その基準で事件に対処しなければならない」。佐藤「一般国民の目線で判断するならば、それは結局、ワイドショーと週刊誌の論調で事件ができていくことになるよ」。検察官「そういうことなのだと思う。それが今の日本の現実なんだよ」。佐藤「それじゃ外交はできない。ましてや日本のために特殊情報を活用することなどできやしない」。

佐藤氏は情報のプロではあるが、キャリアは20年にすぎない。その彼が外交は「国民の目線」ではできず、「特殊情報を活用」して初めてできることだ、と言うのだ。なぜなら国民は新聞記事を読み解く能力などなく、「ワイドショーと週刊誌の中吊り」で判断しているのだから、と。その情報のプロが国家の利益のために働いたことが「一般国民の正義」で有罪になるとは、と佐藤氏は言いたいらしい。佐藤氏の事件についてはここでは判断しないが、このような物言いはいかがなものか。(大内要三 20071129日)

« イラクの現状報告と記者会見 | トップページ | 「松尾高志著作集」刊行にあたって »

大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読む・読もう・読めば 20:

« イラクの現状報告と記者会見 | トップページ | 「松尾高志著作集」刊行にあたって »

無料ブログはココログ