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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2007/12/14

読む・読もう・読めば 21

ゴルゴタの丘を

川人博さんは「過労死」の語を広めた社会派の弁護士であり、その功績は大きい。けれども北朝鮮による拉致問題の解決をめぐっての姜尚中さんへの批判は、「正義感」が過ぎて、読むのも辛い文章になっている。今年の6月に刊行された『金正日と日本の知識人』では姜さんを「金正日のサポーターか」と書き、「姜尚中よ、耳をすまして民衆の声を聞け、そして、過去の言動を謝罪し、日朝民衆とともに、独裁者と対峙せよ」とまで書いている。ほとんど2ちゃんねるのノリだ。彼の北朝鮮現政権への態度は、次のようにまとめられる。

「軍事攻撃でない方法で、金正日独裁体制を一日も早く崩壊させる。/それによって、拉致被害者を救出し、共生収容所を解体し、人権蹂躙体制に終止符を打つ。このことは、アジアに人権と平和を実現する礎石を築くことを意味する。/その目標に向かって、一人ひとりの実践が積み重なっていくことを期待してやまない。」

拉致という国家犯罪が人権蹂躙の極致であることはそのとおりだ。しかし拉致被害者を救うために金正日独裁体制を崩壊させようという主張には、危ういものを感ずる。次のような指摘がある。

「なぜ彼(蓮池透さん)が「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)から出て行ったのかというと、「救う会」が体制転換を考えているからだ、というのです。/拉致問題を解決するということとレジーム・チェンジを起こすということは違います。体制を転換させれば、生き残っている日本人は全部殺されてしまう。誰が考えてもそうですよ。コソボの問題を見れば、北朝鮮の体制が崩壊すればどうなるか自明です。」

これは川人さんに罵倒された姜尚中さんの、小森陽一さんとの対談のなかでの発言である(『戦後日本は戦争をしてきた』200711月刊)。なるほど。さらに姜さんは次のように敷衍する。私には分断朝鮮の悲劇をより深く理解している姜さんの主張のほうが正論に思える。重い結論ではあるが。

「私の結論は単純なんです。好むと好まざるとにかかわらず、自由のウイルスを北朝鮮にバラまくしかないんです。これによって北朝鮮は資本主義化への道を歩まざるを得なくなる。/我々は、現在の資本主義の矛盾がどれほど大きいものかということを知っています。資本主義の矛盾の中で、キリストが十字架をかついでゴルゴタの丘を登っていったのと同じように、あの国の多くの国民はゴルゴタの丘を登っていくでしょう。……南北が統一されれば素晴らしい道が我々の前に開けているのか、と問われれば、そうは思いません。思わないけれども、今の段階では歩まざるを得ないのです。」(大内要三 20071214日)

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