戦時に向かう言論統制と日本国憲法の精神⑥
2007年12月15日 田島泰彦
軍事秘密の再編
そういうことも踏まえてさらに、日本の軍事秘密が再編成されていきます。
従来は自衛隊の秘密というのは、まず庁秘という類型のもと、先ほど見たような自衛隊法に定めるような秘密がありました。秘密の区分については「秘密保全に関する訓令」というのがあって、機密、極秘、秘という形で定められていたわけです。それともうひとつ防衛秘密というのがあって、MSA秘密保護法、すなわちアメリカから提供された装備品などについての秘密があります。さら3つ目は米軍の秘密、これは刑事特別法に定められている。この3種類の秘密があったわけですね。
それが9.11以降の状況も踏まえて、次のような形で再編されました。細かく4つに分かれたわけです。ひとつは省秘です。最新の訓令は今年(2007年)の7月に改正されたものですが、そのなかで省秘については、従来あった秘密区分、機密・極秘・秘とあったのを機密と極秘は廃止して、秘だけにするという扱いになりました。
では機密と極秘はどうなったかという話ですが、秘密性の高いものについては新たに防衛秘密、すなわち2001年に自衛隊法改正で作った防衛秘密のなかに統合されることになった。従来のMSA秘密保護法の防衛秘密は、現在は防衛秘密ではないわけです。現在の防衛秘密は2001年の自衛隊法改正、96条の2によって作られたということになります。MSA秘密保護法のもとで米軍によって提供された装備品等についての秘密は、新たに特別防衛秘密に変えられました。そして刑事特別法に定める米軍の秘密は、従来のままです。
こういう4つの秘密に再編・整理されました。
なお特別防衛秘密と米軍の秘密は、省秘や防衛秘密と異なっています。どこが異なっているかというと、探知・収集も犯罪の類型として対象とされているということです。探知・収集の行為ですから普通の市民も対象とされて、しかもかなり重罰が課されます。例えば秘密を漏らした場合、確か最高刑は10年ですね。
イージス艦の自衛官が逮捕される事件がありましたが、あれはどこに該当するかというと、MSA秘密保護法に基づく特別防衛秘密を漏らした、という類型になります。
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