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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2008年3月

2008/03/31

憲法と平和2008 「平権懇」連続学習会

●第4回 裁判員制度を考える

講師  西野喜一(新潟大学法科大学院教授)

96日(土)14時~16時。毎日ホール(終了しました)

一般国民を刑事裁判に参加させる裁判員制度の実施が近づき、さまざまな疑問が生まれている。冤罪が続発するような現在の刑事司法がこれで改善されるのか。延々と長期にわたる裁判が合理的に進行するようになるのか。一般市民に「正しい」判断ができるだけの材料がきちんと提供されるのか。死刑を宣告しなければならないような立場に立ちたくないとすれば、どのようにすれば拒否できるのか。──西野先生に聞いてみよう。

西野喜一(にしの きいち)

1949年福井市生まれ。東京大学法学部卒業、ミシガン大学ロースクール修士課程修了。名古屋大学法学博士。東京地方裁判所判事補、新潟地方裁判所判事などを経て現職。著書に、『裁判の過程』(判例タイムズ社、1996年)、『法律文献学入門 法令・判例・文献の調べ方』(成文堂、2002年)、『司法過程と裁判批判論』(悠々社、2005年)などがある。いずれも専門書だが、2007年に講談社新書として一般向けに『裁判員制度の正体』を刊行。

『裁判員制度の正体』書評より

 ……(裁判員制度が実施される)その結果、「手抜き審理が横行」し「真相の追求が図られなくなる恐れがある」上に、「被告人にも、犯罪被害者にも辛く苦しい思いをさせ」、「裁判員に動員される国民の負担があまりにも大きい」という、実施の「必然性がない」「迷惑な制度が生まれた」わけである。おまけに、この法律は「費用がかかりすぎ」、「憲法に違反」している疑いまであるという。

 そんな裁判員などに選ばれて貧乏くじを引きたくない、と思う人のために、西野氏は具体的な逃れ方を細かく指南してくれる。この本の読みどころである。罰則規定で脅しをかける国家側の論理に対抗すべく、さまざまな策を提示する著者の筆致は、明快かつユーモラスだ。

 現行の司法制度が完全であるなどとは毛頭思わないが、まずやるべきは今の制度の欠点をすべて洗い出し、漸進的に改革することだろう。無謀な一足飛びで多大なリスクを負わされるのは、ご免こうむる。

 ──大岡玲 『毎日新聞』2007916

●第1回 朝鮮半島の変貌を見る 

(終了。ブログの抄録をご参照ください)http://heikenkon.cocolog-nifty.com/blog/2008/index.html

講師 上原久志(日本平和委員会理事) 3月29日(土)午後2時 会場:日本民主法律家協会http://www.jdla.jp/image/map.gif

●第2回 基地被害と環境を考える

(終了。ブログの抄録をご参照ください)

http://heikenkon.cocolog-nifty.com/blog/2008_1/index.html

講師 林 公則(大妻女子大学非常勤講師) 5月31日(土)午後2時 会場:新宿・スモン公害センター


●第3回 自衛隊の変貌を見る
講師 内藤 功(弁護士) 
7月19月(土)午後2時~4時 
会場:新宿・スモン公害センター(終了しました)

2008/03/29

読む・読もう・読めば 28

責任の所在

322日の朝、千葉県野島崎から太平洋を見た。沖合をひっきりなしに大型・中型船が行き交い、その手前をたくさんの小型漁船が行き来する。このような状況のなかへイージス艦「あたご」は、仮眠中の艦長のもと自動操縦のまま、一直線に突っ込んできたのだ。東京に戻り、21日に防衛省が「艦船事故調査委員会による調査について」という報告書を発表していたのを知った。36日以来、約70名の「あたご」乗組員に対する聴取をした結果をまとめたものだが、「海上保安庁との調整により」当直員の一部について聴取が実施できていないという。

一読して驚くのは、問題の「あたご」に海上交通が輻輳する海域を航行している自覚がまったくなく、当直が弛緩しきっていることだ。「通り雨があり、見張員の配置を艦橋内に」とあるが、雨が降ったら視界が悪くなるのに、濡れるのが嫌で室内に入ってしまったということだ。衝突時の前の当直は7名が勤務すべきところ4名しかいなかった。漁船団を見つけた当直員は「この目標は目視ではっきり視認できたため、当直士官は当然了解しているものと考え報告していない」。「当直士官の『この漁船近いなあ』という発言と当直員Eが『近い、近い』といいながら、右舷ウィングに出て行こうとしているのを確認し、さらに窓に近づき、身を乗り出したところ、右70100メートル付近に近接する紅灯を掲げた『清徳丸』と思われる目標を視認した」。それから「両舷停止」と「後進一杯」をかけても、間に合うはずがない。救助のため降ろされた内火艇に潜水員は乗っていたが、夜間であるため「練度が及ばない」ので潜水作業を実施しなかった。

報告書は「あたご」の「対応の評価」について、それなりに厳しく評価してはいる。「艦全体として周囲の状況について見張りが適切に行われていなかった」。「『あたご』に避航の義務があったが、『あたご』は適切な避航措置をとっていない。また、衝突直前に『あたご』がとった措置は、回避措置として十分なものでなかった」。ただしこのような評価は、「現時点までの聴取結果によれば」とか、「可能性が高い」などの修飾語で限りなく責任の所在が希釈されている。

226日の衆議院安全保障委員会での石破防衛相答弁によれば、この報告書を作成した事故調査委員会には、事故当時「あたご」に乗艦していた護衛艦隊幕僚長もメンバーに入っている。自分で自分をチェックしているわけだ。これでは公正な調査はできないだろう。これから行われる海難審判の審理を注目したい。

(大内要三 2008328日)

2008/03/15

読む・読もう・読めば 27

暗い時代に

「一つの國で、紙の質が段々すつきりしなくなつて來て紙質も低下して來たやうな時期に、どんな内容の本を出して來てゐるかといふことが、殆ど例外なくその國の進展の十年二十年さきを豫言してゐるやうに思はれるのが、世界の歴史の實情である。紙のわるいときにも本當にいゝ本が出されつゞけたか。それとも、紙のわるさにふさはしい屑が出たかといふことは、粗笨な主観に立つて氣に入らない本は出ないやうにする快味以上に、未來に向つて深刻な意義をもつてゐるのである。」

旧字旧仮名でなければ最近の文章とも思えるが、これは1940年の宮本百合子の文章であって、1941年に高山書院から刊行された『文学の進路』に収録された短文、「今日の文学」の末尾の部分だ。奥付をみると「定價 壹圓六十錢 外地 壹圓七十六錢」とあり、ちゃんと著者検印がある。朝鮮・台湾でも1割増しの定価で買えたのだ。表紙はダイコン畑のペン画だが、「matu」とサインがあるのは、松山文雄だろうか。軍による出版統制が深まろうとする時代に、彼女はこのような文章で抵抗していた。読む人が読めば軍政批判であることは明白なのに。勇気あることだ。

当時、高山書院がこのような本を刊行することができたのは、それなりに売れ筋の著者を多数抱えていたからだ。巻末広告を見ると、徳田秋聲、石坂洋次郎、丹羽文雄、尾崎一雄、田村泰次郎、田中英光、窪川稲子、といった名前が並んでいる。アタリマエのことだが、戦中と戦後はつながっているのだ。

出版人のありかた、物書きのありかたを、たとえばこのような文章から考える。「紙のわるさにふさはしい屑」を生産してはいないかと。宮本百合子は、「あと5年我慢すれば」という具体的な展望があって書いたわけではあるまい。このような文章が活字になって残っていて、21世紀の出版人・物書きの襟を正させることについて考える。

(大内要三 2008314日)

2008/03/06

松尾高志著『同盟変革』刊行

Photo_2 民衆の立場から軍事問題で発言するジャーナリストで、平権懇運営委員であった松尾高志さんが急逝してから9ヶ月。多数の人々の募金を得て、3月5日、著作集『同盟変革――日米軍事体制の近未来』が刊行されました。(最新記事はひとつ下にアップ)

第1章 自衛隊国軍化への「大きな第一歩」

第2章 日米安保から見た有事法制

第3章 「イラク特措法」の問題点

第4章 朝鮮半島「危機」の平和的解決を

第5章 自衛隊法施行令改正

第6章 日米共同作戦の中枢としての横田基地

第7章 日米共同演習「ヤマサクラ45

第8章 新々ガイドラインの合意

第9章 同盟変革始動の宣言

10章 日米グローバル・アライアンスの構造

A5判上製、154頁、日本評論社刊、定価本体2700円+税。募金に応じた方には送本されます。希望者は事務局までご連絡ください(3u5j2z@bma.biglobe.ne.jp)また全国の書店で注文可能です。

4月20日(日)午後1時半から、東京・銀座スエヒロにて「松尾高志さんを偲び、『同盟変革』の出版を記念する会」が開催され、約100名のゆかりの皆様が集いました。会場では追悼文集(略年譜・著作目録を収録、私家版)も配布されました。

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