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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2008/04/23

自衛隊イラク派兵違憲訴訟 定点報告14

空自のイラク活動に違憲判断

「平和的生存権」でも前進

「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会・名古屋」 控訴審判決

17日の「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会・名古屋」の控訴審判決で米兵の輸送などを行っている航空自衛隊の活動について「憲法9条1項に反する」との判断が示されました。判決理由で「政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合であっても、武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、活動地域を限定した同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる」と明示しました。1973年9月の長沼事件自衛隊違憲判決(札幌地裁)以来日本の裁判所が憲法判断を避ける傾向の中での判断でした。

また、「平和的生存権」について「憲法9条に違反する国の行為、すなわち戦争の遂行、武力の行使等や、戦争の準備行為等によって、個人の生命、自由が侵害され又は侵害の危機にさらされるような場合、また、憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強制されるような場合には、平和的生存権の主として自由権的な態様の表れとして、裁判所に対して当該違憲行為の差止請求や損害賠償請求等の方法により救済をもとめることができる」として具体的権利性を認めた「画期的な判決」でした。

違憲判断は示されましたが「違憲判決」が出された訳ではありません。現在、継続している宮城の住民訴訟、岡山の訴訟(一審)、北海道の控訴審、熊本の控訴審のいずれかでなんとしても違憲判決を勝ち取りたいものです。

この日の一報は名古屋の仲間から「違憲判決に近い」と携帯電話に入りました。職場でニュースサイトを検索したところ「イラク自衛隊:米兵輸送は違憲 差し止め却下 名古屋高裁」 FXOnline Japan(毎日新聞)、「空自イラク派遣は憲法9条に違反 名古屋高裁判断」asahi.com(朝日新聞)、「空自イラク輸送活動、名古屋高裁が憲法違反を含むと指摘」YOMIURI ONLINEとなっていました。この時点では各ニュースサイトとも「平和的生存権」にはふれていませんでした。

私個人として振り返ってみますと国を被告にした裁判に何件か関わってきました。それらは「平和的生存権」や「納税者基本権」という新しい権利の確立をめざす裁判でもありました。私にとっては1982年12月に「舘野鉄工所事件」で国から1200万円の追加補償を勝ち取った裁判や77年の「椎葉事件」以来の感慨のある判断でした。

私は91年の湾岸戦争での「90億ドル戦費拠出違憲市民平和訴訟」、92年に「カンボジアPKO違憲訴訟」、96年に「ゴラン高原PKF違憲訴訟」、そして今回の「イラク派兵違憲訴訟」と裁判所に事実審理と違憲判決を求め続けてきました。

「イラク派兵違憲訴訟」は全国で一つの訴訟団ではなく11の地域で12の訴訟が提起されました。私たち、東京では前例のない「100人のリレー提訴」に取り組み6人が上告審まで闘いました。今回、判決理由で違憲判断が示され、国が勝訴し、原告が上告しないために判決は確定します。

前述したように裁判所は「違憲判決」を避け続けています。小泉純一郎元首相の「福岡靖国訴訟」では原告側敗訴ですが違憲判断は示されました。今回も同じように判断が示されたわけです。

あまりにも最高裁が「違憲判決」を避け続けているがために下級審では判決理由で違憲判断を求める動きが出てきています。現に「自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本」では原告側主尋問で代理人が小林武(愛知大学大学院教授)証人に対して「判決理由の中で違憲判断を示すことが有効であるか」と聞いています。

青山邦夫裁判長は今回、あれだけ事実認定し、判決理由で違憲判断をしたのですから差し止め請求を認定すべきだったのです。たとえ、青山裁判長が最高裁の“反動性”を憂慮し、国側を勝たせることによって上告を断念させる思いがあったとしても・・・。

今回、テレビニュースで流れた法廷場面で裁判長席に座っていたのが青山裁判長と見た視聴者は多いと思います。青山裁判長は判決を書き依願退職していたのです。実は先に書いた一報をニュースサイトで読んだ時に「高田健一裁判長代読」とありましたのでもしやと感じていたのです。もしやと感じたのはこれまで国側に否定的な判決を書く裁判官は退官直前が多いと聞いていたからです。テレビで裁判長席に座っていたのは判決文を代読した高田健一裁判長でした。

裁判官は退官直前や「依願退職」を決意しないと「違憲判決」や違憲判断を示せないというのは異常です。裁判官が法と良心にしたがい自由に判断・判決を示せる土壌を作らなければならないと考えました。

(杉山隆保)

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