朝鮮半島の変貌を見る②
先ごろ行われました韓米連合軍事演習「キー・リザルブ」および「フォール・イーグル」の分析を中心にお話しするのがいちばん具体的かなと思います。「キー・リザルブ」は指揮所演習、「フォール・イーグル」は実動訓練、韓国風に言うと「野外機動演習」です。しかしこれは一体として行われています。公式にアナウンスされた期間は3月2日から7日までの6日間です。「キー・リザルブ」は韓国の日本語ウェブサイトでは「解決のための鍵」と訳されているようです。「フォール・イーグル」は韓国では「トクスリ」と言いますが、「クロハゲワシ」のことす。
「キー・リザルブ」は以前「ROSI」と呼ばれていたのを、今年から改称されました。中身は拡大こそすれあまり変わっていないんですが、主たるものは同じです。ROSIはReseption, Staging, Onward Movemento & Integrationの略ですね。レセプションは朝鮮半島有事の際に増援する米軍の受け入れのことです。ステイジングは翻訳が悩ましいですが、ハングル訳では待機の意味になっていますね。前線よりちょっと手前のところに待機して、そこで前方に投入するための訓練をやっていく。オンワード・ムーブメントは、そこから前線に運ばれる、つまり前方展開です。そしてインテグレーションですが、部隊が動くときには兵隊と武器は必ずしも一緒に動くわけではないんです。例えば兵隊が前線に行って、弾を撃ち尽くしてしまえば再補給が必要なわけで、あるルートをとって再補給される。あるいは最初に投入されるときでも、兵隊はこっちから行くけれども武器は鉄道でこっちから行くということもあり得る。それから前線に入って他の部隊との統合を成し遂げるということも含めて、インテグレーションというのだと思います。
「キー・リザルブ」と改称されて、ある意味では格上げはされているんですが、もともとはそういう、非常に実戦的な演習であるということです。その実戦部分、野外演習部分が「フォール・イーグル」です。
参加米軍の主体は米本土部隊
今年の演習の特徴は、これは韓国マスコミでは声を大にして主張されているんですが、参加米軍の主体がかなり米本土部隊に切り替わっているということです。全世界的に米軍がそういう戦略を打ち出しているらしくて、前方展開基地は維持するけれども削減する。いざという時にはアメリカ本土から飛んでいけばいいという方向です。
なぜかというと、要するに駐留経費がかかるからです。いちばん金がかからないのは日本、その次は韓国ですが、他はほとんど金は出さない、下手をすると土地代を取られる。というわけで、いざというときに出せばいいんだというふうになったわけです。
横須賀を母港としている空母キティホークが、そろそろ退役します。いま台湾の総統選とチベットの暴動があったためと言われていますが、3月18日から何日か出航しております。総統選が終わったのでまた戻って来ると思いますけれども、3月末か4月始めにはまた出航しまして、5月末にアメリカ本土に帰り着いて、退役することになっています。したがって横須賀のキティホーク空母打撃群が今回の演習では使えないわけですね。それに代わって空母ニミッツ打撃群が参加しました。空母ニミッツ打撃群は1月24日にもうサンディエゴを出発しました。「キー・リザルブ」が実施されるというアナウンスが米韓連合司令部からあったのは2月2日ですが、このアナウンスをする前に演習がすでに始まっていたわけです。
佐世保にエセックスという強襲揚陸艦があります。乗るのは沖縄にいる海兵隊です。それが昨年まではROSI演習に参加していたんですけれども、今年は1月28日に沖縄に到着、2月14日には海兵隊を積み終わりまして、アメリカとフィリピンの合同演習「バリカタン」に行ってしまった。2月19日にフィリピンに到着しています。「バリカタン」演習を終わってフィリピンのスービック港を出たのが3月7日ですから、今回の「キー・リザルブ」の「本番」日程にはまったく関与していないという、異例の事態とも言える状況がありました。そういう意味で、米本土部隊が主体になって今回の演習が行われたわけです。
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