読む・読もう・読めば 34
小学校は大丈夫か
中国の四川大地震で、省都成都の高層ビルにはほとんど被害がないのに、多数の学校で校舎が倒壊して、それだけでも6500人以上が死亡したと伝えられる。役人が業者から賄賂をもらい手抜き工事をさせた疑惑で遺族が抗議したところ、当局が弾圧したという(6月12日付読売新聞ほか)。日本の学校は大丈夫なのか。岩手・宮城内陸地震のように、不意打ちに近い大地震もあるし。6月20日付朝日新聞によれば、文科省調査で「公立小中学校1万棟、震度6強で倒壊の恐れ」という。
文科省の発表原文を同省ホームページで読んでみた。「公立学校施設の耐震改修状況調査の結果について」という6月20日付の文書だ。高校、特別支援学校、幼稚園の数字も出ているが、繁雑になるので小中学校だけ見ると、耐震診断実施率の全国平均93.8%、耐震化率62.3%。全国の小中学校の3分の1は大地震が来れば倒壊する、ということだ。こういうことを気にせずにはいられないのは、大地震等の災害の際の地域の避難場所として小学校が指定されているからだ。今回の新聞報道はそのことに全く触れていないけれども。家が壊れたから学校に避難したところ、学校も壊れていた、というのでは話にならない。
都道府県ごとの数字も出ているので、千葉県のところを見る。耐震診断実施率は96%と高いが、耐震化率は56%と低い。100年かかってあまり進歩していないと感じるのは、1902年に津波で倒壊した学校を全町民の日掛け貯金で12年かけて再建した、千葉県御宿町の物語を一昨年、書き下ろしで上梓したからだ(『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』窓社)。御宿では国からも県からも援助が得られなかったので、町民自身の力で学校を建てた。
いま学校耐震化工事の地方自治体負担は約1割、ほとんど国の費用でできる。それでも工事をしないのは何故だろうか。少子化でいずれ統廃合されるから、それまで放っておくのか。学校ごとに耐震診断の結果を公表しているのは全国平均で51.8%というのも、いかにも住民に知らしむことを避けたい役人のやりそうなことだ。 (大内要三 2008年6月29日)
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