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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2008/06/19

基地被害と環境を考える③

○軍事環境問題とは

003  軍事活動が引き起こす環境問題を「軍事環境問題」と私は呼んでいるんですが、一般には戦争による軍事環境問題がまず注目されやすいだろうと思います。ベトナム戦争における枯葉剤がとくに有名ですね。湾岸戦争では劣化ウラン弾が使われたと言われていますし、油が燃え上がることによって資源が浪費されたと言われます。

 1st IWME、MEはミリタリー・アンド・エンバイロメントですが、2003年に第1回の軍事と環境に関する国際ワークショップが沖縄で開かれました。2005年には2回目が開かれて、その後は開かれていないんですが。いろんな国の人が軍事活動が引き起こす環境問題について話し合おうというところで、ベトナムや湾岸の例が報告されました。

 ベトナムにはすごい量の爆弾が投下され、そしてそれがまだ残っている。ベトナム戦争では人ではなくて環境自体を破壊しようという目的の兵器、枯葉剤が投入された。いま元の森を取り戻そうと植樹をしているんですけれど、完全には動物も植物も戻って来ない、まだまだ時間はかかるだろうという話をされていました。

 湾岸戦争のときには油田に爆撃があって炎上し続けたために、ものすごい量の石油が無駄になったし、二酸化炭素もすごく排出されることになりました。町も完全に破壊されたし、劣化ウランの影響による腎臓病もあります。そういうように軍事環境問題というものは、やっぱり戦争のときにものすごくひどい形になるという意味で、戦時中の問題がクローズアップされることがすごく多いんですね。

そのなかで私が専門にやっているのが何かというと、後でやる軍用機騒音の問題だったり、基地汚染の問題だったりする。そういうものは、戦時ではなくて平時に起こっている軍事環境問題です。それを扱う意味というものも、自分では考えていかなければいけないと思っていて、その整理もこのあとしていこうと思っています。

 なぜ環境保全という観点から軍事活動を考えないといけないのか。自分も始めたときには人の生き死にとか、そういう問題のほうが重いので、環境から考えるのはすごく軽い感じになってしまうのではないかと思いながらやっていました。あと平和という観点から問題をとらえたほうがいいとか、経済学でやるのであれば財政学、つまり国家財政の話からこの問題を見ていくというようなこともあり得ると。いろんな視点があるけれども、環境というものから見ることによって見えてくる独自なものは何なのか。

 ひとつは公害問題、とくに日本の環境経済学というものは、宮本憲一先生や都留重人先生が作ってきたものなんですけど、やっぱり根底にあるのは4大公害などの深刻な被害で、どういうふうに被害者の方々を救済するか、そして同じような問題を二度と起こさないためにどうしたらよいか、そういうような観点から構築された理論というものがある。自分が基地汚染の問題に取り組もうと思ったのは、まさにそういうことをやりたいがためというのがあったので、こういう環境保全の観点からこの問題を取り上げるのには、意味があるんじゃないかと思ったのが1点。

 2点目は、環境保全という視点からだけ見えてくることだと思います。冷戦が終わった後に軍事費は96年までに3割ぐらい減るわけですね、世界的に。それ以降は徐々に増加していく。現在アメリカの軍事費は年間5000億から6000億ドルぐらい。これは世界の軍事費の5割超の額ですけれど、イラク戦争によってまたどんどん軍事費が増えていく。これをどう見るか。第二次世界大戦後、核戦争なり大規模な戦争というものが起こっていないことを見て、抑止政策による平和が実現された評価する人もいるわけですね。けれども、そういう平和はいいものなのかという視点から見たときに、地球環境の保全、環境問題の視点から見たときには、そういう平和はダメなんだよと。すなわち維持可能ではない。だったら括弧付きの平和であっても、軍縮、軍備を少なくしていかなければならないということが、見えて来る。それを以下で説明していこうと思います。

 まず、軍事活動というもの、軍事活動問題というものを環境問題の視点から見たときに、どういうふうなものか、それがどういうものかを見ていこうと思っていまして、環境問題一般の話をまずしていこうと思っています。

 日本の場合を考えていただけばいちばん分かりやすいんですが、昔の4大公害問題の場合だと、それはまずポリューションの問題、汚染の問題だったんですね。そういう汚染の問題、公害問題から環境問題へと言われているような流れのなかで言われているのが、領域としての自然保護という問題だったり、町並みやアメニティの保全という問題です。

質的な次元では、例えばアスベストは30年とか40年して発症する目に見えない被害だったり、そういう質が違うような問題が出てきている。化学物質の話なんかはこういうのが非常に多いんです。

 空間的な次元では、ある地域の問題というよりも、地球全体の問題、地球温暖化はそうですし、そういう問題が増えてきた。時間的な次元でも、世代間の問題としてすごい長い時間かかって問題が出てくる。というふうに見てくると、軍事環境問題というのは、この性質というものを全部持っている。沖縄の辺野古の問題では自然破壊の問題がありますし、イラクでは戦争が起こると町は一瞬にして破壊された。

軍事環境問題というものは、そういう要素すべてを備えているだけではなくて、軍事活動というものほど環境にダメージを与えるものはない。というのは、どれだけ資源を使うかを考えても分かります。そういうことを考えると、環境問題をやっている人は、これまであまり軍事活動に対して目を向けてこなかった。少なくとも研究としては、この問題を取り上げる人というのはいなかったわけですね。しかし環境問題をやっている人は、いますごく増えてきている。それでも、まだ軍事活動が引き起こす問題、環境問題については、取り上げる人が少ない。だから軍事活動を環境保全の立場から見直すということが、いま必要になっているだろうと思います。

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