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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2008/08/05

自衛隊の変貌を見る①

Naitou001 08.7.19 平権懇学習会 自衛隊の変貌を見る

内藤 功            

○名古屋高裁の違憲判決

 まず417日の名古屋高裁の判決についてでありますが、自衛隊の変貌を批判し、自衛隊の変貌と闘う上で、この判決がどういう位置づけになるか、という視点からお話ししたいと思います。

 判決はアメリカのイラク戦争に関する証拠に基づいて事実認定をやっております。

「イラク攻撃の大義名分とされたフセイン政権の大量破壊兵器は、現在に至るまで発見されておらず、むしろこれが存在しなかったものと国際的に理解されており、平成1712月には、ブッシュ大統領自身も、情報が誤っていたことを認めるに至っている」。

「当初の有志連合軍及びCPAからの主権移譲後の多国籍軍に参加したのは、最大41か国であり、いわゆる大国のうち、フランス共和国、ロシア連邦、中華人民共和国、ドイツ連邦共和国等は加わっておらず」次々撤収し、現在21カ国になっていると。

 それから「イラク各地における多国籍軍の軍事行動」として、ファルージャと首都バグダッドの2例を挙げまして、アメリカ軍による攻撃が開始され、空爆が行われ、クラスター爆弾並びに国際的に使用が禁止されているナパーム弾、マスタードガス及び神経ガス等を使用して、大規模な掃討作戦が実施された。残虐兵器と呼ばれる白リン彈が使用されたともいわれる」。これによりファルージャの多くの民間人が死傷し、少なく見積もって2080人であると。

 丹念に集めた新聞記事、インターネットの情報、出版物等を原告弁護団が証拠化して提出したものにより、手堅く認定しております。同様に首都バグダッドの状況についても、具体的に認定をしております。とくに平成188月から15千人をバグダッドに集中して掃討作戦を行ったということですね。

 裁判所が作成して配布した判決要旨は、全国紙でこれを全文出しましたのは、「しんぶん赤旗」だけであります。ほかの全国紙を見ましたが、毎日新聞だけは平和的生存権のいちばん肝心な部分を全部書いておりますが、ほかの新聞は省略していますので、本当の判決の神髄が分からない。

 この判決には3つの神髄というものがあると思います。1番目がイラク空輸が憲法91項違反であるということ。「現在イラクにおいて行われている航空自衛隊の空輸活動は、政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合であっても、武力行使を禁止したイラク特措法22項、活動地域を非戦闘地域に限定した3項に違反し、かつ、憲法91項に違反する活動を含んでいる」。前提としての政府解釈は、アメリカの武力行使との一体化というというところを判断基準にしております。政府は非常に反論しにくいだろうと思います。

 第2点は平和的生存権の問題です。「憲法の保障する基本的人権は平和の基盤なしには存立し得ないことからして、全ての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利である」と。このように認めたのはおそらく裁判所の判決では初めてのことで、長沼の判決よりもさらに深めたという面があると思います。さらに法的な権利として認められるべきものである」と。また「局面に応じて自由権的、社会権的又は参政権的な態様をもって表れる複合的な権利」であるとも言っています。

 とくに私が注目しますのは例示としまして、「戦争の遂行、武力の行使等や戦争の準備行為等によって個人の生命、自由が侵害され又は侵害の危機にさらされ、あるいは現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされるような場合、また憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強制されるような場合」には、「裁判所に対し当該違憲行為の差止請求や損害賠償請求等の方法により救済を求めることができる」というところですね。これからの運動と研究にとって無限に深められる可能性を内含していると思います。

 3点目の神髄は、裁判官が人間の言葉をもって語ったということです。損害賠償請求の判断なんですが、「控訴人らは、それぞれの重い人生や経験等に裏打ちされた強い平和への信念や信条を有している」と。「9条違反を含む本件によって強い精神的苦痛を被ったとして賠償請求している」と。「そこに込められた切実な思いには、平和憲法下の日本国民として共感すべき部分が多く含まれている」と。裁判官としての共感を述べた。そして「決して間接民主制下における政治的敗者の個人的な憤慨、不快感又は挫折感に過ぎないなどと評価されるべきものではない。」これは、名古屋地裁の1審判決、それから甲府地裁の判決に対する、名指しではないが批判ですね。

 ただし本件の結論、主文はですね、「具体的権利が侵害されたとまでは認められず」、「賠償請求において認められるに足りる程度の被侵害利益が未だ生じているということはできない」。残念ながら棄却ということですね。

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