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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2008/09/14

読む・読もう・読めば 39

三島由紀夫の原爆論

作家の三島由紀夫は、一度だけ原爆に関して発言したことがある。『週刊朝日』1967811日号に寄稿した短文だが、没後の71年に刊行された『蘭陵王』に「私の中のヒロシマ」と改題して自衛隊体験入隊の記録などとともに収録されているから、遺稿のひとつと言えるかもしれない。三島は日本核武装論者であり、その基調は「民族的憤激」である。

三島はいう。「核大国は、多かれ少なかれ、良心の痛みをおさへながら核を作つてゐる。彼らは言ひわけなしに、それを作ることができない。良心の呵責なしに作りうるのは、唯一の被爆国、日本以外にない。われわれは新しい核時代に、輝かしい特権をもつて対処すべきではないのか。そのための新しい政治的論理を確立すべきではないのか。日本人は、ここで民族的憤激を思ひ起すべきではないのか。」

ここでは、核時代がすでに逃れられない現実であることの認識と、敗戦と米国による占領が「最大の屈辱」であったという認識が前提になっている。そのうえで「米ソの核均衡」に換わる「弱者が優位に立つといふ“逆勢力均衡”」の先端を切るのが、「被害者の極、ヒロシマ」だと結論するのである。実際には三島が「おのれの傷口を誇りにする」と罵倒する「ヒロシマ平和運動」の中からは、日本も核武装して米国に復讐すべきだという論理は現れず、核廃絶への努力だけが続けられてきたことは幸いだった。

三島は平和運動を罵倒はするが、「ヒロシマ」と「広島」を書き分けながら、正面から見ているようにも思われる。先の引用のすぐ後に、次のような文章がある。「広島で原爆が使はれたという事実、たくさんの人が死に、今も肉体的、精神的に苦しんでゐる人がゐるという事実がなかつたとしたら、観念的にいくら原爆の悲惨さがわかつてゐても、必ず使はれたらう。人間とは本来、さういふものである。その意味でヒロシマこそが、最大の『核抑止戦略』であつた。」核時代を逃れられない運命として受け入れるか、核廃絶への人々の善意の力を信じるか。「人間とは本来」というあたりが分かれ目であるようだ。

2008914日)

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