読む・読もう・読めば 43
田母神論文の何が問題となったのか
田母神俊雄氏が空幕長の地位を棒に振って、確信犯として「日本は侵略国家であったのか」という論文(のようなもの)を書いたのはなぜか。何が問題になったのか。東京裁判史観批判とか靖国史観とか論文によるクーデタとか言われるが、やはりまずは論文の原文を読まねばなるまい。
冒頭に出てくるのは、米軍の日本駐留を日本侵略とは言わないのは、条約によるものだからだ、という話だ。なるほど空幕長ともなると、まずは日米同盟を持ち上げなければならないのか、と思いきや、続きを読むとまるで話が違ってくる。論文は日本軍の中国大陸・朝鮮半島駐留も条約に基づいたものだった、と述べた後、それは「圧力をかけて条約を無理矢理締結させたのだから条約そのものが無効だという人もいるが、昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない」と続く。「昔も今も」というところがミソだ。要するに彼は日本国憲法ばかりか日米安保条約までも批判しているのだ。そして論文の後のほうでは日米戦争を「アメリカによって慎重に仕掛けられた罠」であると述べる。
田母神氏がついに退職を余儀なくされるに至ったのは、日米同盟を批判し、米国からの独立を説いたことによる。これは現在の自衛隊主流の志向とは異なる。今年の東大五月祭で田母神氏が安田講堂で講演するに先立ち、石破防衛相(当時)は「政府見解や大臣見解と異なることを言ってはいけません」と釘を刺したという(11月13日付「毎日新聞」)。
航空自衛隊の生みの親のひとり、戦術指導を行ったのは、米国のカーティス・ルメイだ。1945年に東京大空襲ほかの無差別戦略爆撃を立案・実行して日本の市民33万人を殺した当人である。昭和天皇はそのような過去を水に流して、自衛隊への貢献をもって1964年にカーティスに勲一等旭日大綬章を授与した。田母神氏は昭和天皇にも空自の大恩人にも楯突いて、米国からの独立を主張したことになる。 (2008年11月16日)
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「大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事
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» アメリカのナショナル・ヒストリー [みんななかよく]
航空幕僚長が、先の戦争のことを「日本の侵略というのはぬれぎぬ」と発言したニュース。
あっという間に更迭されました。
NHKとテレビ朝日をみたけど、テレビのニュースでもやっていた。
abi.abiさまのところ
にも魚拓があったよ。
「報道ステーション」... [続きを読む]
» 田母神「論文」への保守からの批判 [みんななかよく]
このブログ、最近の売れ筋商品は、田母神氏のネットウヨ風発言。
そのブログ(コメント)界のコメントも興味深いものです。
これまでも田母神「論文」に関連していくつかエントリーをあげました。
http://ameblo.jp/kandanoumare/entry-10166215317.html
戦後保... [続きを読む]
» 田母神氏の正当な扱い [みんななかよく]
「かめ?」 からTBのあったエントリー。
「日本はろくな国ではなかった」=「日本はろくな国ではない」じゃあないよ、田母神さん
産経新聞の田母神氏インタビューだそうです。「はあ?」と思って見に行きましたよ。
インタビュー2
? 「変なのは『日本は... [続きを読む]


朝日新聞新潟版に小池加茂市長の発言が掲載されています。ご参考までに。
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000811140004
投稿: おばた | 2008/11/18 15:44