自衛隊イラク派兵違憲訴訟 定点報告 17
「自衛隊国民監視活動差止め等請求訴訟」について
自衛隊イラク派兵差止訴訟は2004年1月に札幌で始まり全国11の裁判所での12の訴訟が提起されました。06年7月にサマワから陸上自衛隊を撤兵させ、今年4月には、名古屋高裁で「違憲判決」を勝ち取ることができました。この「違憲判決」から5か月後の9月11日には政府が航空自衛隊の年内撤収方針を示し、11月28日に撤収命令が出されました。12月下旬にはイラクに派兵されていた航空自衛隊が小牧基地に帰ってきます。
仙台、岡山、熊本で訴訟は続いていますが、これまで5年の間、全国各地で訴訟に取り組んできた原告(元原告)並びに弁護団(元弁護団)は自衛隊イラク派兵差止訴訟の会・名古屋、自衛隊イラク派兵差止訴訟名古屋弁護団、自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議の呼びかけに応えて勝利の全国集会を名古屋で行います。
今回の報告は自衛隊のイラク派兵などに反対する活動を監視した自衛隊情報保全隊を訴えた「自衛隊国民監視活動差止め等請求訴訟」についてです。
■訴訟の概要
訴状では、請求原因について監視活動は、①報道機関にも及んでおり報道の自由・国民の知る権利を侵害すること、②原告らの表現の自由を侵害すること、③プラインバシーの権利を侵害すること、④肖像権を侵害すること、⑤思想良心の自由を侵害すること、⑥平和的生存権を侵害すること、⑦そもそも自衛隊の市民監視行為は自衛隊法等の法令上の根拠がなく、また、その個人情報の収集・保全は行政機関個人情報保護法にも違反していること、さらに、⑧自衛隊の市民監視活動は立憲主義に対する背反であり戦前の「憲兵政治」復活の危険があるという、基本的人権保障や民主主義・立憲主義に対する重大な侵害行為であることを挙げ、これは国家的不法行為であると指摘しています。
その上で、国に対して、自衛隊イラク派兵に対する原告らの一切の表現活動、思想活動に対する情報収集・活動監視活動を行ってはならないとの差止めと原告各自に慰謝料100万円の国家賠償を請求しました。このように差止めまで請求し、単なる損害賠償訴訟にとどめていないのが特徴です。
第1次~第3次訴訟
第1次訴訟 2007年10月5日提訴 原告4名(いずれも仙台市在住)
第2次訴訟 2008年3月12日提訴 原告22名(仙台市12名、大崎市2名、名取市2名、多賀城市2名、大河原町2名、柴田町2名、村田町1名)
第3次提訴 2008年10月20日提訴 原告29名(仙台市18名、岩沼市5名、塩釜市3名、多賀城市2名、名取市1名)
以上合計55名
仙台市34名、岩沼市5名、塩釜市3名、多賀城市3名、名取市3名、大崎市2名、大河原町2名、柴田町2名、村田町1名
現在、第1次訴訟・第2次訴訟は併合され、仙台地裁民事第二部で審理中です。
■被告国の対応
内部文書を作成したのか、しなかったのかも明らかにしないという異常な対応をしています。
■裁判所の訴訟指揮
具体的な主張・立証に入る姿勢を執っています。
■今後の日程
12月15日午後4時15分から第7回口頭弁論です。この日の午後3時に第4次提訴が行われます。原告は宮城県に限定せずに、東北をはじめ全国からの参加を予定しています。全体の原告数は第1次から第4次を合わせて100名以上を目標にしています。
(2008/12/04)
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