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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2009/03/26

3.7シンポジウム 質疑・討論

会場からのご意見・ご質問      

◎厭戦庶民の会の信太といいます。海上衝突予防法では、右に走っている船を見る船は義務船なんです。左に見れば権利船です。私は海軍兵学校で教わりました。海上自衛隊にもいて、日本航空でも機長をしましたが、まったく同じなんです。難しいことを考えることはない。飛行機でも船でも、右には緑の明かりをつける。左には赤をつける。赤が見えたら義務船、あるいは義務機なんです。無学文盲の見張員でも分かるんです。だからこれはイージス艦「あたご」による殺人行為です。

◎市民ネットワーク千葉県の吉沢と申します。先ほどのお話に出てきた「チャーリー海域」のことについて補足したいと思います。新たに配備された空母「ジョージ・ワシントン」を迎えるために、横須賀港は12号バースの浚渫作業を行いました。米軍が使っていたところは土壌が非常に汚染されておりまして、ここでも重金属を含む大量の汚染泥土が出ました。それを横須賀から「チャーリー海域」に持ってきて捨てていたんです。私たちは県議会で問題にしまして、全員一致で反対決議も出ました。その横須賀港の汚泥を積んだ船が行くときは漁船の航行は控えてもらいたいというのが防衛施設局からの要請であって、千葉県漁協連はそれに対して繰り返し交渉していたという背景があるんです。しかし「ジョージ・ワシントン」の配備が目前に迫ったこの2月の段階で、浚渫のスケジュールが押してまいりました。この事件が起こるほんの1日半前ぐらいに、防衛施設局と千葉県漁協連との間で話し合いがつきまして、双方で航行に注意するということで、浚渫汚泥船と漁船が同時航行して良いというのが決まった。その直後にこの事件が起きたわけです。ミサイル防衛の問題もありますが、こういう「ジョージ・ワシントン」配備など米軍・自衛隊とのからみのなかで、尊い2つの命が失われたことを、地元から強調しておきたいと思います。

◎元神戸商船大学の照井と申します。海難審判の手続のことについて、補足します。田川先生が最後に受審人のことを述べられましたけれども、「あたご」事件では船長さんと息子さんが亡くなられて、受審人が不在ですね。それで海上自衛隊だけが出席した。「なだしお」事件のときは近藤船長が受審人となって、官対民の関係で争われました。そして田川先生が補佐人となって、相手の自衛隊の資料も閲覧することができた。今度は受審人が不在ですから、官対官で、民の立場は出てこないんですね。海難審判規則では海難に利害関係のある者は審判を申し立てることができるはずです。やはり利害関係ある者を受審人の代わりに出席させれば、補佐人とともに官対民の関係をつくることができた、ということを申し上げておきたいと思います。

◎自衛艦は海技免許を持たなくていいというお話がありました。それと安全航行装置ですか、それを自衛艦には配備する義務はないというお話。そのへんの根拠といいますか背景はどういうことなのでしょうか。

◎田川 海技免許の件ですが、一般に船員は国交省の大臣名で1級海技士とか2級海技士の免許を与えられます。それを持っている船員は航海者、要するに船長として認められて操船できるわけですが、自衛隊はそういうわが国の法制度のアウトサイドにいるわけです。したがって海上自衛隊の内部試験に合格すれば艦長として操船できるという仕組みになっておるんです。海上自衛隊は、一般の1級海技士と同等以上の能力がないと内部試験に通らないと言っているんですが、そうであれば海技士試験を受ければいいじゃないかと思いますが。海上自衛隊は軍隊の範疇に入るものですから、内部でやるということなんです。AISも国際的な取りきめで、安全のためにそういう設備をつけるように定められておるんですが、これまた一般の船に対してですから、軍艦のたぐいはその対象になっていないんです。ただAISを積んでいたおかげで、「あたご」がどういうふうに動いたかが、1分単位で分かる。動静を知られたくない自衛隊としては付けたくないという気持ちは分かりますが。

◎私は鉄道の駅員を41年やってきたんですけど、3つ疑問を感ずるんですね。ひとつは、艦長が混んでいることを知らなかったと。これは全くふざけたことですね。ラッシュアワーだったら新宿は7時から9時まですごく混んでいる。それを知らなかったと平然と言っている。それから鉄道では事故が起きると警察沙汰になるわけですが、警察が来る前に全部、運転手がどこでブレーキを止めたか、想定を作っちゃうんですよ。改竄は当たり前。3つ目は、事故が起こったらどうするかと。上りの電車が事故を起こしたら、私たちは下りの電車が来たときのことを考えて、その対策を練るんですね、すぐに。まったく簡単な話です。「あたご」乗組員はなぜすぐに海に飛び込まなかったのか、不思議です。

◎杉原 なぜ飛び込まなかったかという話ですが、僕も最初に報道で見たときに、せめてそういうことだけでもできないものかと、率直に疑問を感じました。「あたご」は特殊部隊用のボート、これはフランス製の高速艇で、船舶立入検査、いわゆる臨検のときに使うためにイージス艦では初めて搭載したらしいんですが、そういう装備を積みながら、衝突事故という基本的な事故に対する対応が何もできなかった。そのギャップというものは本当に激しくて、その問題がどういうふうに解明されるのかということをきちんと見ていくべきだなと感じています。

◎会社員です。実際に衝突してしまったわけですが、この衝突を避けるためには、「あたご」はどのような航法をとれば衝突が避けられたとお考えでしょうか。それともう1点はテレビのニュースの記憶なんですが、事故が起きた当日か翌日かは忘れましたが、注意喚起信号を「あたご」から漁船に、発光でですね、行ったと。その注意喚起信号を、亡くなったお父さんが僚船に対して無線で、「光でピカピカやられたよ」と話したとニュースで聞きました。この注意喚起信号がなぜ生かされなかったかを、どのようにお考えでしょうか。

◎田川 この場合にイージス艦は、船にはブレーキはありませんけれども、速力を落とすと、清徳丸も康栄丸もみんな自分の前をかわして行くので、それから右転しながら進めばよろしい。いずれも操船としてはきわめて容易なことです。余裕があるときに信号が出ておれば、清徳丸も避航する動作がとれたものと思われますが、注意喚起信号が出たかどうか、定かではありません。そういう事実は海難審判では認定されていないんです。

◎海難防止協会の大貫です。私も海事専門家としてこの間、さまざまなメディアで海自に厳しい指摘をしてきましたが、ひとつ気になることがあります。レストランに例えますと、町中のレストランとは違って、自衛隊の場合は全国展開のチェーン店ですね。全体で安全対策をやってもらわないと困る。実は私は防衛庁時代には招かれてよく一般船舶との間の安全対策で講演したんですけれども、市ヶ谷に移ってからはそういうことはなくなりました。この56年の間に教育訓練が疎かになっているような気がするんですが。

◎田川 ご指摘の通りで、いわゆる軍事訓練は何回でも念入りに行われるのですが、海上の航行安全という訓練はないがしろにされているのではないか。「なだしお」のときに十分にやるし継続的にやると高等海難審判庁で自衛隊が供述したので、そのときは勧告をされなかったんです。今度は横浜の審判書もたぶんそういう記録は見ておりますので、今回は勧告をやるべしということになった。ご指摘の航行安全、とりわけ日本近海での一般商船との関係でどれだけ訓練が行われたか、きわめて疑問です。外部から講師を招いて学ぶことをしないもんですから、ますます閉鎖的な傾向は治っていないと言えると思います。

◎自衛隊というのは上から与えられたことしかしないんですね。ソマリアに行く自衛隊も、標的に当てる訓練しかしていないんです。ところが海上保安庁は当てない訓練をしている。ですから非常に危機感といいますか、心配をしています。

◎海上衝突予防法では、衝突の直前の、衝突を避けるための最善の動作をどうとるのか。清徳丸も「あたご」も、どうような動作をとればよろしいとお考えでしょうか。

◎田川 第17条は「保持船」、本件で言えば清徳丸の動作について決めてございますが、衝突を避けるために最善の協力動作をとらねばならない、という規定があります。つまり近い例で言えば、清徳丸は青信号で進んでいたんですが、横から赤信号にもかかわらず入って来る大型の船がいたら、危ないと思えばブレーキを踏まなければいけませんよ、という規定なんです。船にはブレーキはなくて、スクリューを逆回転して行き足を止めるという動作をとります。10万トンクラスのタンカーは、156ノットのスピードで走っておりますと、ストップしようとしても2キロ進むんです。ですからできるだけ早期に、少なくとも3分とか5分前には行動をとらなければいけない。

最後にひとこと

◎大内 私は千葉県嚶鳴村(現旭市)に生まれて小さいころから海に親しんできたので、千葉の海には個人的な感情を持っています。いま御宿町のリゾートマンションに通っていますが、この町から湾の向こうに川津港が見えます。それで今回の事件には思いが深くて、二度とこんな事件を繰り返してはいけない、どこの団体もこの事件を検証する集会をやらないのなら、ぜひ私たちがやりたいと思いました。先週末には川津に行って、吉清さん親子の墓参りもいたしました。今日のシンポジウム会場には、じつは川津からご親族の方にも参加していただいておりまして、このような集会を成功させることができたのを、ありがたく思っております。

◎杉原 最初のお話の中でも強調したんですけれども、本来イージス艦という船は冷戦が終わったときに廃船にすべきだったということです。もう20年前になりますけれども。その後、後付けで新しい任務を付け加えて生き延びている。軍隊自体が敵を作り出していくというシステムなんですが、そういう中でミサイル防衛を非常に大きな「錦の御旗」としてイージス艦が強調されることになっています。つい最近の報道でも北朝鮮がまた人工衛星を打ち上げるという中で、「こんごう」や「ちょうかい」が日本海の作戦区域に出動準備をしていると言われます。今回の事件はある意味で、私たちに対する非常に大きな警告でもあると思っています。もういちどイージス艦という船の正当性というのか、本当に私たちにとって必要なのかということを、しつこく問いかけていくことが必要だと思います。放っておけば「あたご」は新しいSM3ミサイルを搭載してミサイル防衛作戦に加わることが予想されます。アメリカ軍と共同の軍事作戦を担っていく目玉の船として動いていく可能性が高いです。そういう未来が現実のものとしてスケジュールに上ってくる中で、2人の尊い命を奪ったことが、私たちにとっては大きな教訓として、イージス艦自体を見直していく機会になったと思います。

◎田川 海上自衛隊が今度、ソマリアの海賊対処で現地に派遣されるというので、立法作業が準備されております。確かに自衛隊に期待する声もあります。しかしそれは対症療法なんであって、根本的なあの国の政情不安をなくするということをしないで、やられたらやり返せというような風潮は、警戒しなければならないと思っております。

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