2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

« 読む・読もう・読めば 55 | トップページ | 「平権懇」学習会2009 »

2009/06/15

読む・読もう・読めば 56

海保ならいいのか

4月23日に衆議院で可決されながら、迷走国会で店ざらしにされていた海賊対処法案の扱いが急転、6月19日に参議院本会議で否決、同日衆院再決議で成立の見込みという。あらためて法案を読んでみると、ソマリアのソの字もない。公海と日本の領海・内水、つまり他国の領海以外ならどこでも海賊行為を取り締まる法律であって地域無限定。期間限定もない。保護対象の限定もないのは、外航船は「日本船」といっても船籍はパナマやリベリアの便宜措置船が多いし、船員も外国籍の人ばかりだからだ。

実際に「海賊行為に対処」するのは海上保安官と自衛隊員の共同作業になる。目玉は第6条の武器使用基準だ。警察官職務執行法7条の準用は、①犯人の逮捕または逃走の防止、②自己もしくは他人に対する防護、③公務執行への抵抗の抑止、の3ケースで、基本は威嚇射撃だが、④正当防衛・緊急避難、⑤相手が死刑・無期・3年以上の懲役・禁固刑に該当する凶悪犯罪を犯した時、⑥逮捕・拘留に際し第三者から抵抗を受ける時の3ケースでは、危害射撃ができる(相手を死傷させてもやむを得ない)。さらに今回は、⑦相手船の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるとき、⑧その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、でも武器使用ができる。⑧など、いくらでも恣意的に解釈できそうだ。

国連平和維持活動の武器使用には2タイプがあり、この分類でいえばこれまで自衛隊はaタイプ、つまり自己保存のための武器使用しか認められていなかった。昨年のテロ対策補給支援法でも「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理下に入った者」まで守る範囲を広げたが、aタイプの範囲内だった。それが今度はbタイプ、つまり任務遂行にあたり妨害者と戦うための武器使用が解禁されることになるのではないか。

じつは海上保安庁は自衛隊に先立って、任務遂行のための武器使用を認められていた。1999年3月に巡視船15隻を出動させながらに能登半島沖で不審船を取り逃がしたことの反省から、01年11月2日に海上保安庁法を改正し、20条2項に上の⑦⑧を加えていたのだ(ただし日本の領海・内水で、という限定つき)。これを根拠に翌月、九州南西海域で不審船と銃撃戦を行い、不審船は自爆して乗員全員が死亡した。

海上保安庁は本来、海における国境紛争を戦闘行為にエスカレートさせないために、海上自衛隊に先立って創設されたはずだった。だから海上保安庁法25条には「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と明記されている。その海上保安庁がいまや1000トン、2000トン級の大型船を持ち(プルトニウム輸送船の護衛用に建造された巡視船「しきしま」は6500トン)、40ミリ機関砲を積む。その海保が領海外で自衛隊と共同して事実上の戦闘行為をするようになる。  (2009年6月15日)

« 読む・読もう・読めば 55 | トップページ | 「平権懇」学習会2009 »

大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読む・読もう・読めば 56:

« 読む・読もう・読めば 55 | トップページ | 「平権懇」学習会2009 »

無料ブログはココログ