読む・読もう・読めば 63
ミニコミの終わり方
1992年に創刊され、自衛隊海外派兵の動きを中心に軍事・安保問題の報道・論評に活躍してきた月刊誌『派兵チェック』が、この12月刊行予定の200号をもって終刊する。律儀に購読料の精算についての連絡があった。終刊の理由がなんとも具体的で身につまされる。「ここ数年の間に複数のメンバーの入院や手術を伴う病気、親の介護等による活動時間の制約などが重なり、財政的問題を『体力』でカバーすることも困難になりました(毎月の発送作業に3人集まることすらなかなか難しい状況にまでなってしまっています)。」太田昌国さんの鋭いコラム、池田五律さんの的確な論評、いつも愛読していました。ありがとうございました。
1984年創刊、地域誌のニューウェーブとして名をはせた『谷中・根津・千駄木』、通称「谷根千」も、この8月の94号をもって刊行終了した。「売れ行きに比べ印刷費などの経費がかかりすぎること、坂だらけの町を自転車で配達するのがきつくなってきたこと、4半世紀のうちにスタッフをめぐる環境も大きく変わったこと」によると、産経新聞は報道している。いまや作家となった同誌編集人のMさんは、東大新聞研→編集者→フリーの経歴を持つ方だが、自著に収録しようとした某短文を、いつ、どの雑誌に、どのような題で書いたかも忘れて、かつて私のいた某社編集部に問い合わせてきた(しかも本人でなく単行本の編集者が)。こういう人のつくる雑誌の終刊には、あまり同情しない。
これも創刊25年になる「古本と古本屋さん、すべての本を愛する方のための情報誌」、『彷書月間』も、来年10月の300号で休刊と予告されている。古本屋大賞出身の石田千さんのエッセイ、愛読していました。編集・発行人の田村治芳さん、どうぞお大事に。
大出版社の名物雑誌の休刊が続くのも淋しいが、ミニコミの終刊はもっと淋しい。活字文化の多様性は、ネット文化で代位されるものではないと思う。 (2009年9月28日)
« 米軍再編と横田基地 | トップページ | 横田基地移転後の航空総隊司令部の役割 »
「大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事
- 読む・読もう・読めば 127(2013.06.12)
- 読む・読もう・読めば 126(2013.04.06)
- 読む・読もう・読めば 125(2013.02.11)
- 読む・読もう・読めば 124(2012.12.15)
- 美濃部革新都政への道をふりかえる(2012.11.22)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント