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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2009年10月

2009/10/28

読む・読もう・読めば 65

密約も約束のうちか

元毎日新聞記者の西山太吉氏は、沖縄返還に関して米国が支払うべき土地原状回復費用を日本政府が肩代わりする密約の存在をつかみ、公務員の国家機密漏洩を教唆したとして有罪となった。米国側は25年後に公文書を開示し、密約は明らかになったが、日本政府は存在を否定した。西山氏らはいま日本側の密約文書の開示を求める訴訟を起こしており、12月1日には東京地裁に交渉の当事者であった元外務省アメリカ局長の吉野文六氏が出廷して証言する。吉野氏は以前から密約の存在を肯定していた。岡田克也外相も密約関連文書を調査・公開するよう命じているから、密約文書の開示は近いと思われる。

西山氏が有罪になった件以外にも、日本政府と米国政府の間には密約がいくつもあるようだ。とくに重要なのは、核持込み容認の密約だろう。「持ち込ませず」がウソなら非核三原則はザル法であって、「核のカサ」の存在と相俟って、日本は核廃絶を主張する倫理的優位性を失う。では、国民に対して秘密にされていた政府間密約は、公表されると無効になるのだろうか。古い話になるが、1978年3月14日の参議院予算委員会で、上田耕一郎議員が質問している。

上田「もし日本の首相あるいはその代理人が外国の元首あるいはその代理人と秘密の取り決めを行った場合、そういう取り決めは国際法上効果がありますか。」真田法制局長「理論上の問題として両国のそれぞれの締結権限者が締結した取り決めは、仮にそれが不公表のものであっても、国際的にはそれはそのことだけをもって無効だと言うわけにはまいらないというふうに考えます。」大森条約局長「政府が交代しても、国が同一である限りはそれは効力は続くと言わざるを得ないと思います。」

密約もまた約束のうちだという。しかし上田質問は続く。「総理大臣個人が結ばないで、代理人に権限を与えて結んだ場合はどうですか。」大森「国際法上、総理大臣の代理人といったようなものが権限を持つといったような、そういう地位というものはございません。」上田「秘密の取り決めが日本の国益を害するものであった場合、そういう秘密の外交措置を行った総理大臣、これは処罰されますか。」瀬戸山法務大臣「残念ながら日本にはそういう処罰する刑法がございません。」

密約文書の署名者が問題だ。佐藤首相本人か、代理人か。非核三原則でノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作氏は故人となったが。  2009年10月28日)

2009/10/14

読む・読もう・読めば 64

「友愛」の祖

鳩山由紀夫首相は就任の少し前、月刊誌『VOICE』に「私の政治哲学」という文章を特別寄稿した。これが切り縮められて『ニューヨーク・タイムズ』電子版に掲載され、言うことを聞かない者は誰でも反米だとされてしまう米国で問題になった「事件」については、池田龍夫さんが「日刊ベリタ」(http://www.nikkanberita.com/)掲載論文で分析しているので、ここでは書かない。NYタイムズが端折ってしまった冒頭部分には、祖父・鳩山一郎の政治信条がクーデンホフ・カレルギーから学んだ「友愛」であることが書かれていた。現民主党のいう「友愛」はこれを引き継ぐものだという。

では、半世紀前の鳩山一郎首相とは何をした人なのか。在任は19541210日から561220日までのほぼ2年間と、長くはない。保守合同を実現し、さらに「ハトマンダー」と揶揄された、いかにも無理な区割りの小選挙区制を導入して憲法改正を目指したが、果たせなかった人、というのが第一印象だろう。しかしこの首相の他の「業績」にも鋭い目を向けているのが、荒川章二・静岡大学教授の『豊かさへの渇望』(「日本の歴史」第16巻)だ。2箇所を引用してみる。

その1、家族計画推進。「鳩山一郎内閣時代は、19552月の総選挙で、新生活運動の拡張を選挙公約とするなど世論の焦点とし、家族計画を重点とする生活改善運動が広く展開された。」専業主婦+一家の主人+子供2人を「標準世帯」とする近代家族が理想像とされたのは、このあたりからだった。少子だからこそ教育に力を入れる、つまりは受験競争もここに始まる。

その2、核持ち込み容認。「鳩山首相は19553月、原爆貯蔵を認める発言をし、野党の追及によってその撤回を迫られる。結局鳩山内閣は、在日米軍は核兵器をもたず、将来も日本の承諾なしに持ち込まないという架空の日米合意をつくりだし、追及を逃れた」。

さらには第五福竜丸事件の幕引き、横田基地の拡張、などなど。鳩山一郎内閣は米国からの自立を求める憲法改正指向のはずが、従属を強める結果になった。米国を手本に近代家族もつくった。その意味でも、なるほど1955年体制を作ったのは鳩山一郎内閣だった。お孫さんは『VOICE』論文の結論部分で、米国と中国の間で「いかにして政治的経済的自立を維持」するかが今後の課題、と書く。先々代の「友愛」路線から何を学び、何を引き継ぐのか。 20091014日)

2009/10/11

平権懇2009学習会「日米安保条約50年の現実」

科学技術史の研究者が、ミサイル防衛など米国の軍事経済と日本の産業・技術の一体化について解説する。

日本軍需産業のゆくえ

12月12日(土)14時~16時

13時45分 毎日新聞社受付集合 407会議室へ移動します

会場  毎日新聞社会議室  参加費500円

講師 山崎文徳さん 立命館大学。論文「『被害』の最小化と精密誘導兵器」「アメリカの軍事技術開発と対日『依存』」「原爆症認定集団訴訟運動の到達点」など。

学習会終了後、毎日新聞社内食堂にて「望年会」を行います。

会費3000円 

(準備のため出席する方は、杉山までご連絡願います。090-5341-1169)

世界経済危機とアメリカ「覇権」への挑戦(終了しました)

10月9日(金)18時30分から

会場・文京シビックセンター スカイホール

http://www.b-academy.jp/b-civichall/access/access.html

講師 岩田勝雄さん 立命館大学経済学部教授

日時・会場は変更することがあります。

「へいけんこんブログ」で随時ご確認を。

2009/10/01

横田基地移転後の航空総隊司令部の役割

池田吉人(軍事基地問題研究家)

2009年8月22日 平権懇学習会報告

航空総隊司令部を横田に移転することは、米軍再編、とくに日本とのかかわりでいちばんやりたかったことではないかと思います。その中で新しい日米関係、つまり日米軍事同盟の新たな段階を作ってきた。なぜかと言いますと、自衛隊を本格的に米軍の戦争の中で使っていくという体制を、この航空総隊の横田移転を契機に作り上げる、という狙いがあったと思うからです。

 いわゆる日米統合運用調整所の問題、それからミサイル防衛の問題等もあるわけですけれども、航空自衛隊の総隊司令部が単なる総隊司令部として横田に来るのではなくて、24時間フル稼働する、戦闘集団に作り替えたうえで横田に設置される。このことが、新たにはっきりしてきました。

A

 【資料1】で2006年5月8日の『産経新聞』に掲載された、「航空自衛隊の組織改編案」の図を見ます。これまでは航空総隊(司令部=府中)」があって、その下に北部航空方面隊、中部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空混成団と、ダダッと部隊名が並ぶ。これをコンパクトにまとめてしまう。輸送集団とか補給関係のような後方支援的なものは別の組織に持っていって、戦闘集団を作り上げる。そういう航空総隊に作り上げていくことで、米軍と同じレベルで戦えるような、そういう組織に作り替えようというのが狙いです。とくに航空総隊司令部にAOC(航空運用センター)を設置するという問題があります。

少し詳しく説明しますと、現在の航空方面隊は2から3に統合して、航空救難団は航空総隊に加わる。輸送航空隊は航空輸送集団に一元化される。航空総隊は司令部要員を200程度増員して24時間常時体制に切り替える。  

 そういう中身が2006年の段階で発表されたんですね。航空自衛隊のホームページを見ていましたら、田母神氏がこの問題について発言していました。今すぐ航空自衛隊の組織を改変しなければいけない、ケニー司令部を参考にしながら、航空運用センターを設置することも重要だと、田母神「論文」問題が起きる前に講演しています。

 また日米空軍の友好協会(JAAGA)で2008年11月20日に、空幕運輸情報部長の中島空将補という人が講演をしております。今後の航空自衛隊の運用態勢について、「日米協力のさらなる強化のために、ロードマップの進捗と整合をはかり」「次のような取り組みを進めよう」と言っています。その中で航空総隊司令部の機能強化について、「防空及びBMDは極めて短時間に対処する必要」があると。

つまり改良されるまでのバッジシステムでは、アナログ形式でしか対応できなくて、データーの解析なども不十分だった。米軍と比較すると雲泥の差があったわけです。それくらい遅れていたんですね。それをようやくジャッジシステムに変えて、衛星等も使いながら、全自衛隊の情報をデジタル化して一元化する。というような形にようやく持っていったわけです。遅れてきたものをまず取り戻す。併せて「米軍との共同統合運用調整を円滑にし、防空及びBMD(Ballistic Missile Defense=弾道弾ミサイル防衛)に関わる司令部組織間の連携を強化する目的で、防空指揮群や作戦情報隊とともに」総隊司令部を横田に移転するのだと、中島空将補は講演で述べているわけです。つまりそういう点では、今度の航空総隊の横田移転は、単なるミサイル防衛の問題ではなくて、日米の航空作戦を強化していく、という狙いが浮き彫りにされています。

同時に第5空軍との間で日米航空運用調整所を設置する。この点でも中島空将補は、「米軍が実施している24時間恒常的に実施する作戦サイクルを導入して、こうした活動を行うAOC(Air Operation Center=航空運用センター)を総隊司令部に常時開設し機能強化を図る方向で検討をしている。」と述べています。横田に来る前にもうすでにAOCについても検討している。そして横田に来たときは自衛隊のAOCと米軍のAOCが機能できるような形にもっていこうと考えているわけです。

A_2

 将来的にはどうするか。【資料2】は松尾高志さんと情報を交換しながら作った図です。実は発表されたロードマップにはこの日米共同運用調整所の陸海空というのが入っていないんです。ところがさっきの「未来のための変革と再編」の共通戦略目標にはAOCが運用調整所の関係で出ていたんです。どうなっているのかといろいろ調べて、最近中島空将補の講演から裏付けも取れて、やはりこの図の方向でいくことが見えてきたわけです。

 日米共同統合運用所は、横田基地に設置されるわけですけれども、第5空軍司令部と航空自衛隊航空総隊司令部が、「航空関係」の日米共同運用調整所を作る。陸の関係は、座間の在日米陸軍司令部に第1軍団司令部が入って、陸上自衛隊の中央即応集団司令部と陸の関係の日米共同運用調整所を作る。海の場合も同じような形で、海上自衛隊の自衛艦隊司令部と在日米海軍司令部が日米共同運用調整所を作る。陸・海・空それぞれの共同運用調整所がつくられる。この共同運用調整所は、あくまでも指揮センターではなくて調整所ですから、それぞれがつかんだ情報をここに集めて、そして日米共同統合運用調整所に持っていくというような図式になるわけです。それを将来的には作っていくということになるかと思います。

A_3

 次にミサイル防衛との関係です。自衛隊の弾道弾ミサイル防衛司令部が横田にできます。ミサイル防衛では航空総隊司令部が【資料3】の陸海空自衛隊の統合任務部隊の役割を果たします。イージス艦で集約されたものを海上構成部隊がつかみ、空では航空自衛隊の高射部隊と警戒管制舞台がつかみ、最終的には航空総隊司令官と統合幕僚長のところに集約されるという形になってくる。それが日米共同統合運用調整所に集まってくるわけです。

 こういう役割をもって航空総隊司令部が横田に配置されるということを、十分に理解していただきたいと思います。指揮センターとか戦争司令部ができるというような誤った見方もあるんですが、そうではありません。航空自衛隊と米軍との関係、そしてミサイル防衛司令部との関係が、航空総隊司令部が横田へ移転した後に作られるということを理解していただきたいと思います。

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