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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
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  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2009/10/01

横田基地移転後の航空総隊司令部の役割

池田吉人(軍事基地問題研究家)

2009年8月22日 平権懇学習会報告

航空総隊司令部を横田に移転することは、米軍再編、とくに日本とのかかわりでいちばんやりたかったことではないかと思います。その中で新しい日米関係、つまり日米軍事同盟の新たな段階を作ってきた。なぜかと言いますと、自衛隊を本格的に米軍の戦争の中で使っていくという体制を、この航空総隊の横田移転を契機に作り上げる、という狙いがあったと思うからです。

 いわゆる日米統合運用調整所の問題、それからミサイル防衛の問題等もあるわけですけれども、航空自衛隊の総隊司令部が単なる総隊司令部として横田に来るのではなくて、24時間フル稼働する、戦闘集団に作り替えたうえで横田に設置される。このことが、新たにはっきりしてきました。

A

 【資料1】で2006年5月8日の『産経新聞』に掲載された、「航空自衛隊の組織改編案」の図を見ます。これまでは航空総隊(司令部=府中)」があって、その下に北部航空方面隊、中部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空混成団と、ダダッと部隊名が並ぶ。これをコンパクトにまとめてしまう。輸送集団とか補給関係のような後方支援的なものは別の組織に持っていって、戦闘集団を作り上げる。そういう航空総隊に作り上げていくことで、米軍と同じレベルで戦えるような、そういう組織に作り替えようというのが狙いです。とくに航空総隊司令部にAOC(航空運用センター)を設置するという問題があります。

少し詳しく説明しますと、現在の航空方面隊は2から3に統合して、航空救難団は航空総隊に加わる。輸送航空隊は航空輸送集団に一元化される。航空総隊は司令部要員を200程度増員して24時間常時体制に切り替える。  

 そういう中身が2006年の段階で発表されたんですね。航空自衛隊のホームページを見ていましたら、田母神氏がこの問題について発言していました。今すぐ航空自衛隊の組織を改変しなければいけない、ケニー司令部を参考にしながら、航空運用センターを設置することも重要だと、田母神「論文」問題が起きる前に講演しています。

 また日米空軍の友好協会(JAAGA)で2008年11月20日に、空幕運輸情報部長の中島空将補という人が講演をしております。今後の航空自衛隊の運用態勢について、「日米協力のさらなる強化のために、ロードマップの進捗と整合をはかり」「次のような取り組みを進めよう」と言っています。その中で航空総隊司令部の機能強化について、「防空及びBMDは極めて短時間に対処する必要」があると。

つまり改良されるまでのバッジシステムでは、アナログ形式でしか対応できなくて、データーの解析なども不十分だった。米軍と比較すると雲泥の差があったわけです。それくらい遅れていたんですね。それをようやくジャッジシステムに変えて、衛星等も使いながら、全自衛隊の情報をデジタル化して一元化する。というような形にようやく持っていったわけです。遅れてきたものをまず取り戻す。併せて「米軍との共同統合運用調整を円滑にし、防空及びBMD(Ballistic Missile Defense=弾道弾ミサイル防衛)に関わる司令部組織間の連携を強化する目的で、防空指揮群や作戦情報隊とともに」総隊司令部を横田に移転するのだと、中島空将補は講演で述べているわけです。つまりそういう点では、今度の航空総隊の横田移転は、単なるミサイル防衛の問題ではなくて、日米の航空作戦を強化していく、という狙いが浮き彫りにされています。

同時に第5空軍との間で日米航空運用調整所を設置する。この点でも中島空将補は、「米軍が実施している24時間恒常的に実施する作戦サイクルを導入して、こうした活動を行うAOC(Air Operation Center=航空運用センター)を総隊司令部に常時開設し機能強化を図る方向で検討をしている。」と述べています。横田に来る前にもうすでにAOCについても検討している。そして横田に来たときは自衛隊のAOCと米軍のAOCが機能できるような形にもっていこうと考えているわけです。

A_2

 将来的にはどうするか。【資料2】は松尾高志さんと情報を交換しながら作った図です。実は発表されたロードマップにはこの日米共同運用調整所の陸海空というのが入っていないんです。ところがさっきの「未来のための変革と再編」の共通戦略目標にはAOCが運用調整所の関係で出ていたんです。どうなっているのかといろいろ調べて、最近中島空将補の講演から裏付けも取れて、やはりこの図の方向でいくことが見えてきたわけです。

 日米共同統合運用所は、横田基地に設置されるわけですけれども、第5空軍司令部と航空自衛隊航空総隊司令部が、「航空関係」の日米共同運用調整所を作る。陸の関係は、座間の在日米陸軍司令部に第1軍団司令部が入って、陸上自衛隊の中央即応集団司令部と陸の関係の日米共同運用調整所を作る。海の場合も同じような形で、海上自衛隊の自衛艦隊司令部と在日米海軍司令部が日米共同運用調整所を作る。陸・海・空それぞれの共同運用調整所がつくられる。この共同運用調整所は、あくまでも指揮センターではなくて調整所ですから、それぞれがつかんだ情報をここに集めて、そして日米共同統合運用調整所に持っていくというような図式になるわけです。それを将来的には作っていくということになるかと思います。

A_3

 次にミサイル防衛との関係です。自衛隊の弾道弾ミサイル防衛司令部が横田にできます。ミサイル防衛では航空総隊司令部が【資料3】の陸海空自衛隊の統合任務部隊の役割を果たします。イージス艦で集約されたものを海上構成部隊がつかみ、空では航空自衛隊の高射部隊と警戒管制舞台がつかみ、最終的には航空総隊司令官と統合幕僚長のところに集約されるという形になってくる。それが日米共同統合運用調整所に集まってくるわけです。

 こういう役割をもって航空総隊司令部が横田に配置されるということを、十分に理解していただきたいと思います。指揮センターとか戦争司令部ができるというような誤った見方もあるんですが、そうではありません。航空自衛隊と米軍との関係、そしてミサイル防衛司令部との関係が、航空総隊司令部が横田へ移転した後に作られるということを理解していただきたいと思います。

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