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法制局長官の重み
小沢+鳩山=小鳩内閣は、「国会改革」の一環として「官僚答弁の禁止」をしようとしている。国会で質問されて自分では答えられず、役人に代弁させる大臣は確かにみっともないが、それだけのことではない。民主党のいう「国会改革」は解釈改憲、つまり憲法改正をせずに憲法の中身を変えてしまおうという目論見を持っていると思われる。というのは、内閣法制局長官もまた官僚としたうえで、平野博文官房長官が11月4日の記者会見で、今内閣は内閣法制局長官の過去の答弁に縛られない、と述べたからだ。鳩山首相も「法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい」と述べた。これまでの法制局長官=憲法の番人が国会で何を言ってきたかにかかわらず、今後は憲法解釈を内閣が自由に行う、という宣言に等しい。
歴代の内閣法制局長官は何と言ったか。角田禮次郎氏は、安保条約を日米が共同して戦争をする同盟に改定するのは憲法違反だと言った(1980年10月9日)。大森政輔氏は、日本に敵が攻めてきたときを除けば、自分の身を守る以外のことで自衛官が武器を使うことは憲法違反だと言った(94年4月23日)。大出峻郎氏は、国連から要請があっても武力行使のための自衛隊派遣はできないと言った(94年6月8日)。いずれも意訳だから、正確に何と述べたかは国会会議録(国会図書館のホームページで検索できる)を見てほしい。歴代の内閣はこれらの答弁に縛られてきた。
歴代の内閣法制局長官は、閣僚メンバーなみに扱われてきた。それを一官僚と同格とし、国会で発言させない、これまでの発言はチャラにする、となれば、どうなるか。小沢一郎氏は、国連の要請があれば自衛隊を派遣して武力行使もさせる、と言ってきたが、これが可能になる。鳩山由紀夫氏は「対等な日米同盟」を言うが、その「対等」の中身に共同出兵を含めることも可能になる。
自民党が50年余かかってできなかったことを、民主党は「政権交代」のドサクサまぎれに実現しようというのか。社民党が閣内にいられる間はそこまで好き勝手はできないかも知れないが、村山政権の先例もある。新憲法制定議員同盟メンバーが先の総選挙でボロ負けして明文改憲=憲法の条文を改正することが困難になったため、解釈改憲=憲法の読み替えで行くというのはいかにも無茶だ。ハトかと思っていたらタカだった、というのではサギではないか。 (2009年11月13日)
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