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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2010/09/29

読む・読もう・読めば 86

あたご事件公判傍聴記2

9月下旬、イージス艦「あたご」による漁船「清徳丸」沈没事件で、相次いで4回の公判が横浜地裁で開かれた。裁判員は関与しないが、公判前整理手続きで争点が絞られているから、展開は早い。21日の第2回公判、22日の第3回公判、27日の第4回公判までは清徳丸僚船乗組員7人の証人尋問、28日の第5回公判ではあたご当直士官2人の証人尋問が、毎回午前10時から午後4時ごろまで、昼休み・休憩をはさんで行われた。

2回公判は「康栄丸」の中ノ谷義敬船長とその子息の証言。「同じ川津港から清徳丸に続いて出港し、左絃前方にずっと清徳丸の船尾灯を見ていた。あたごが速力か進路を変えれば事故は起こらなかった。」被告・自衛隊側は5人の弁護士が入れ替わりで執拗に、康栄丸レーダーの性能や船首の揺れ、海難審判に提出された図とGPS(全地球測位システム)による航跡図との違いなどから証言を崩そうとした。

3回公判は「金平丸」の市原義次船長とその弟の証言。「川津湊から康栄丸に続いて出港。前方左に清徳丸が見えていた。船尾灯の高さで清徳丸と分かる。あたごは行き合いに近い横切り関係だ。20ノットは出ていたと思う。」第4回公判は私は都合で傍聴できなかった。読売新聞報道によれば、勝浦港「幸運丸」の堀川賢史船長、松部港「長一丸」の渡辺秀人船長ら計3人が証言、幸運丸の2人は清徳丸が検察の主張する左前方ではなく左後方にいたと説明したという。

5回公判ではあたごの阿波谷宣男・植野祐介の両乗組員が証言。阿波谷乗組員は右見張りの当直で「水平線付近に3つの白灯を見、近づいていると認識したが、交代時に引き継ぎをしなかった」と証言した。交代した植野乗組員(事件後、退官)は「3漁船と思われる白灯・赤灯を見たが、すでに前任者が報告済みと思い当直士官に報告しなかった」と述べた。

公判を重ねて、すでに傍聴席には20人足らず、新聞報道も地方版のみとなっている。報道では証人の個人名を伏せているが、ここではその必要を感じないので書かせていただく。長時間を傍聴席で過ごして憤りを感じるのは、被告側弁護士たちの傍若無人ぶりだ。執拗な追及には漁船員への軽蔑も感じられる。船長たちの毅然とした態度が印象的だ。これに対してあたご見張り番たちの、蚊の鳴くような声での証言にはイライラさせられた。残念なのは検察側にもまるでシンパシーが感じられないことだ。海上保安庁・海難審判・検察と3回にわたり、ときに誘導的に調書を取り、互いに矛盾していたりする。「郵便不正事件」で権威が地に落ちたところだから、よけいに検察の官僚的態度が目立つのかもしれないが、検察側証人に何を証言させたいのかも明らかでない。

なお、被告・自衛隊側は第1回公判で民放2局とNHKのニュース映像を無断で証拠として提出していたが、民放2局は抗議、NHKは遺憾の意を表明した。次回公判は10月25日から4日間連続して行われる。  (2010年9月29日)

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大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

大手のマスコミは次々起きる新しい事件を追うのに忙しいと言う口実で無視を決め込むのでしょう。神奈川新聞と政党機関紙の赤旗の記事だけでは不足です。傍聴に通うのも大変でしょうが、ここでのレポートをぜひ続けてください。気になるは以下のような主張です。元外務省職員の佐藤優氏がこの裁判によせて「国防関係の刑事事件に関しては、専門知識と秘密保全が重要になる。国際基準に従って日本にも軍法会議を設置」すべきと、一線を超えよという主張です。

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