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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2010年11月

2010/11/28

読む・読もう・読めば 90

米韓合同演習

1128日の今日から121日までの予定で、米韓合同軍事演習が行われる。これに参加するため米原子力空母ジョージ・ワシントン、ミサイル巡洋艦カウペンス、駆逐艦シャイロー、ステザム、フィッツジェラルドの計5隻が24日朝に横須賀を出港した。23日に起きた延坪島への北朝鮮砲撃事件への対応であり、要するに北への武力威嚇だ。

砲撃事件は野蛮・無法な行為であり、北朝鮮は無条件で謝罪・補償すべきであることは論を待たない。しかしマスコミ報道を見ていると、今回の事件は北の計画的な挑発だから最大限の制裁が必要だとか、対抗のため米日韓のいっそうの軍事一体化が必要だとかの世論を誘導しようとしているように見える。私は金王朝の代替わりが進む北朝鮮を民主主義とも社会主義とも思わないけれども、帝国憲法下日本の天皇と軍隊の関係にたいへんよく似た状況にあると考える。軍の一部の暴走をどのように抑えるかが問題だ。

今年の38日から18日まで、米韓合同実動演習キー・リゾルブが38000人の参加で行われた。また816日から29日まではコンピューター・シュミレーションによる米韓合同演習ウルチ・フリーダム・ガーディアンが86000人の参加で行われ、これには韓国の地方自治体等4000機関が協力した。いずれも北の侵攻から韓国を防衛するシナリオに基づく演習だ。前者に例年と異なり米空母が参加しなかったことは、米軍の朝鮮半島軽視を印象づけたかもしれない。後者で「開戦初日に韓国の死傷者10万人」という結果が出たことは、戦争で南の勝利は確実でも消滅する北を含めた戦後復興の困難さを考えると、なんとしても戦争回避をと米韓に思わせただろう。だから北は安心して挑発する。

今回、第7艦隊主力が事件翌日に出港できたのは、123日から10日まで沖縄周辺等で予定されている、島嶼防衛等日米合同軍事演習が以前から予定されていたからだ。しかしジョージ・ワシントンが沖縄でなく黄海(韓国名では西海)に向かい、泰安半島沖を越えて北進すれば、北京攻撃が可能な海域に入り、中国を刺激する。北も南も米国も中国も、誰も戦争など望んでいないのに、同盟がある以上は臨戦態勢を取らざるを得ない。小規模でも衝突があれば犠牲になるのは兵と民だ。なのに、朝鮮半島への出撃基地である日本の首相、朝鮮有事には米軍と共同作戦を行う自衛隊の最高指揮官である菅さんの存在感は、まことに薄い。 20101128日)

2010/11/14

読む・読もう・読めば 89

菅直人氏はもともとどんな外交・安保政策を持っていたか

菅直人氏の著作のうち最も読まれたのは、岩波新書『大臣』だろう。1998年に刊行され、2009年に増補版が出た。しかし彼の政策の原型を知るためには、1996年に光文社から出た『日本大転換』を読むのが早道だ。ここにはすでに「最小不幸社会」「小さな中央政府と充実した地域福祉」「総理補佐官の法制化」などの言葉が見られ、政治家としてのライフワークを「行政改革と土地政策」と規定している。高杉晋作の「人生唯一度」を座右の銘とし、「現代の奇兵隊」をめざすとも書いている。

96年といえば、菅直人氏は橋本内閣の厚生大臣だ。ここでは「霞ヶ関を変えていきたい」と熱く語っているわりに、外交・安保政策に割くページはごく少なく、その内容も抽象的だ。それでも次のような記述は言質として重要だろう。「アメリカを通じてのみ考えるのではなく、アメリカを含む世界の国々と、どういう関係を結んでいくか、自立した思考を持ち、あらたな外交方針をつくる」。「核独占クラブの国連常任委員国入りは国益に反する」。「いわゆる集団的自衛権も、憲法が認めていない。私は、この問題で憲法を変えるべきではないと思う」。

もうひとつ。菅直人氏は200111月号『軍縮問題資料』誌のインタビューで「日本の安全保障と憲法」を語っている。当時、民主党幹事長だった。読んでみると、なんとも歯切れが悪い。少々強引にまとめてみると、安保は「トータルで見れば日本にはプラスになった」が、「アメリカに結果的にすべて依存し追従する形の外交方針」になった。「21世紀、日本がアメリカともアジアともきちんと向かい合い議論して位置関係を決めていくベースは必ずしも十分にできあがっているとは言えない」。「アジア地域、太平洋地域の広い意味での安全のために協力するところは協力する、もしくは協力しているという意識を持てばいい」。

対米追従が問題だとは分かっている。けれどもどのように独自の戦略を展開すべきか具体像が描けない。菅直人氏は有能な安保・外交ブレーンを得られず、15年前から進化しないまま、いま外に向けては「日米同盟の深化」を語り、内に向けては「菅」内閣のクサカンムリが取れていっているように見える。それが彼の最大不幸か。高杉晋作は維新前に没し、長州奇兵隊は官軍のなかに埋没していったが。 20101114日)

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