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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2011/01/16

読む・読もう・読めば 93

初の海外派兵

龍馬はとりあえず脇に置いて大雑把な話。明治維新を実現した力は薩摩の近代的軍隊だった。その装備は長崎で英国商人のグラバーを通じて購入した。島津斉彬の富国強兵策が没後に花開いたわけだ。財源の少なからぬ部分は琉球・奄美の黒糖、つまりは植民地支配であったけれども。米国では人口3000万人台のときに62万の戦死者を出した南北戦争が終わったばかり、ロシアは極東に、英国は清国に、それぞれまだ地盤を固め終えていない間隙をすり抜けて明治政府は成立した。

1871年すなわち明治3年10月、首里から宮古へ戻る途中の琉球御用船が台風に流され台湾に漂着、乗員はパイワン族の集落に収用されたが、12月になって逃走し、54人が殺害される事件が起こった。牡丹社事件という。これを理由に日本政府が台湾に出兵したのは2年半後の74年5月だった。大久保利通は征韓論の矛先をずらすことで政府の当面の危機を回避したかったのだろう。陸軍中将・西郷従道が独断で出兵したというのは俗論。ろくに軍艦もないのに3600人を派兵、戦死6人、主にマラリアによる病死531人。北京に乗り込んだ大久保は英国の調停により償金を得て、日本初の海外派兵は終わった。

このときに調印された3箇条の日清互換条款には明記されていないが、日本国民である琉球の民を清が統治する台湾原住民が殺害したという事実認定を前提として償金が支払われたわけだから、台湾は清国領、琉球は日本領だと相互認定したことになる。琉球王国が滅亡し沖縄県が設置された、いわゆる「琉球処分」は1879年、これで薩摩藩→明治政府による琉球間接統治は終わる。

菅直人首相の座右の銘は高杉晋作の「人生只一度」だという。騎兵隊を結成して長州藩を倒幕に向けた彼は大政奉還の前年に病死している(病死にもかかわらず靖国神社に祀られている)。維新までの人、高杉よりも、維新から本領を発揮した大久保に学んでほしいものだが、海外派兵は別。  (2011年1月15日)

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コメント

筆者より
「騎兵隊」でなく「奇兵隊」でしたね。失礼しました。訂正します。

高杉が結成したのは「奇兵隊」で、『坂の上の雲』の秋山好古が率いた「騎兵」ではありませんね。(弘法もなんとやら!)

この場をお借りして一冊の本を紹介させてください。ナイジェリア生まれの旧知の友人の小説が翻訳されて日本で出版されました。ムハンマド・ウマル著『アミーナ』彩流社刊 ISBN9784779115783 2625円。イスラム女性を主人公に”ナイジェリアよ、目覚めよ!”と抑圧と権力に抗して立ち上がる・・・といったお話のようです。かつて来日したときに、赤い肉は食べないとか酒も(公式には)飲まないとかムスリム=イスラム教徒をもてなすのに苦労しました。版元の紹介にはでてきませんが、著者は学生運動の指導者として当時の軍事政権に追われモスクワに亡命、ルムンバ記念民族友好大学で学び、現在はアフリカと第三世界問題を専門とする英国の出版社の代表。

興味のある方はぜひ買ってあげて、ご一読をお願いします。

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