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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2011/05/12

声明・あたご事件不当判決に抗議する

5月11日、横浜地方裁判所(秋山敬裁判長)はイージス艦「あたご」による漁船「清徳丸」沈没事件(08年2月19日)で、業務上過失致死・業務上往来危険罪に問われた同艦の当直士官2名に、いずれも無罪の判決を下した。

今回の判決が不当なのは、何よりも、衝突の責任を犠牲者である「清徳丸」側にあると判断したことである。
すでに横浜海難審判所は、事故の原因は「あたご」側の見張りと連絡・報告体制にあると結論し(09年1月12日)、また防衛省の艦船事故調査委員会、つまり「あたご」側の仲間うちでもまた「あたご」当直士官の見張り・指揮の不適切が事故の直接的原因と結論づけている(09年5月22日)。地裁はこれらと異なった判断をした。

判決は検察側の主張に対して「前提とする証拠の評価が誤って」おり、「清徳丸は検察側主張の航跡通り航行していたとはいえない」と認定した。しかしここから証拠不十分と認定するのではなく、独自に航跡を推定して、「あたご」の回避義務を否定し無罪としたのは、いかにも乱暴である。さらに自ら証言することのできない「清徳丸」に対して、「危険を知りうる状況だったのに、一切回避行動をとらず、衝突した」と結論づけてしまったのは、言語道断である。

海難審判裁決でも、事故調査委員会報告でも、そして今回の公判でも明らかになっていた不動の事実は、「あたご」が漁船群に十分な注意を払わず、自動操縦のまま突っ込んできたことである。そして両者の進行方向からいって、「あたご」側が避航船であったことも明白である。このような大前提からして、「あたご」側に無罪はありえない。

判決は自衛艦が民間船を蹴散らしながら航行することを黙認した。このことの影響はきわめて大きい。「あたご」側の勝利は検察側のずさんさ、敵失による勝利でもあるが、5人の大弁護団を繰り出し大演説を繰り返した結果でもある。海上自衛隊の瑕疵を認めたくない大きな力が働いたのか。

私たちは「海の安全・平和」を求めて、海に働く人々とともに公判に注目してきた。何よりも判決は再発防止に役立つものでなければならない。今回の不当判決に強く抗議するとともに、検察に対してただちに控訴するよう要望する。

2011年5月12日
                     平和に生きる権利の確立をめざす懇談会

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