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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2011/07/30

読む・読もう・読めば 106

沖縄の前衛党


1972年の沖縄復帰後に日本共産党に合流した人民党からは、1985年に公式の党史『沖縄人民党の歴史』が刊行されている。日本共産党の側からは、論文集『沖縄・小笠原問題と日本共産党』が1966年に刊行されており、またこれを著者略歴欄で「著書」と書いているところの、1960年代にいたるまで日本共産党の沖縄対策責任者だった高安重正は、『沖縄奄美返還運動史(上)』を1975年に刊行している。しかし復帰前の沖縄人民党と日本共産党との関係は、いまひとつ明らかでない部分があった。最近明らかにされた資料と聞き取りを駆使して、なるほどそうだったのか、と納得させる本が出た。1968年横浜生まれだから復帰運動を経験していない世代の研究者、森宣雄さんの『地のなかの革命――沖縄戦後史における存在の解放』だ。「地」には「つち」とふりがながついている。

これは題名どおり地のなか(地下)で活動し、地のなかに消えていった党員たちの物語だ。そこには東京の沖縄青年同盟で活躍したのち沖縄に帰って人民党を躍進させた上地栄(「亀さんの背中に乗って本土へ」の演説だけが語り伝えられる)、奄美から派遣されて沖縄に非合法共産党を組織した林義巳、瀬長亀次郎の追放中に非合法共産党を維持し「島ぐるみ闘争」を準備した国場幸太郎など、まことに魅力的な、若い活動家たちが登場する。この時代の瀬長の柔軟性もまた魅力的だ。人民党は合法政党であり、共産党は非合法で地下にある。そして沖縄の共産党は日本共産党の地方組織として公認されながらも党中央とは絶妙な不即不離の関係にあり、たとえば50年代日本共産党からの武装闘争方針おしつけなどは拒否する。軍政下の那覇と半独立の東京は遠かった。

読み進むうちに、「国家のむこう岸への旅路」「越境する名前なき前衛党」などいう文学的な表現がやや鼻につき、現代史であるがゆえに現存者の人権を考慮して明記できない部分があることと重なって、隔靴掻痒の部分は残る。けれども「なるほど」の部分が多かったことを幸いとする。続いて、同じ著者による60年代復帰運動の腑分けを期待したい。
(2011年7月29日)

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大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

沖縄現代史にはまだ十分に解明されてはいない謎の部分が残されているようだ。その一つ、沖縄を舞台にした「密輸」事件があった。本土復帰後も在沖米軍基地群のPXに書籍・雑誌を配給するルートを利用して関税法により輸入禁止されていたPBやPHなどの男性誌を日本国内に密かに(その割には大量に)流通させていた容疑で捜査・立件・処罰された事件。(無論、復帰以前は日本法の適用外だからフリーパスであった。)覚えている人もいるかもしれないが、かつて神田神保町にアート・ビジュアル・ペーパーバックの優れた選書で定評を得ていた狭い洋書店があった。元々は米国バーモント州の古書店の二代目が連合国占領軍の一員(陸軍大尉)として来日しその後創業したCET商会の直営店であった。ここに捜査の手が伸びたのである。どういうわけか微罪で済んだと聞いていたが、この店は2006年閉店、本社の商会も結局のところ海外のファンドと手を組んだとんでもない男に「よい書店」という看板を利用されつくされた挙句に2008年破産。その男の名はKH。中味が何もないのにアメリカの出版用語をあふれんばかりにちりばめたセールストークで一世を風靡したが、金だけつかんで破産一年前に退職。日本では顔を見せられないので、お隣韓国の書店界に手を伸ばしているとの噂。一方、放り出された書店員は今も苦労している。ただし出版部門と著作権部門は別法人として存続、念のため。(オキナワとは関係ない話になってしまいましたが・・・)

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