2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

« 原発事故収束の険しさ訴えた「世界会議」の意義 | トップページ | 読む・読もう・読めば 112 »

2012/01/31

読む・読もう・読めば 111

防災大国キューバ

東日本大震災以後、木造・プレハブの仮設住宅が5万2千戸つくられたという。障害者や老人への配慮に欠けていたり、暖房対策が不十分であったり、市街地から離れて生活に不便があったりする、という話もよく聞く。しかし仮設は仮設にすぎない。本来の自宅に帰れない人々がいちばん求めているのは、雇用を含めた生活の再建だろう。これが難しい。私自身も、父から相続した千葉県のリゾートマンションの1室を自治体に寄贈するので東北からの移住者のために役立ててほしいと申し出たが、マッチングは成立しなかった。

また眼ウロコの本を読んだ。中村八郎・吉田太郎『「防災大国」キューバに世界が注目するわけ』(築地書館、2011年)。毎年、猛烈なハリケーンに襲われるキューバでは、避難のシステムが整っているため、めったに犠牲者が出ない。壊れた住宅は、国から材料を支給され、専門家の援助を受けながら、その住宅の持ち主が自分の労働で再建する。住宅建設にあたってのその労働には国から賃金が出る。なるほど、究極の生活再建だ。

むろん、社会主義キューバが天国でも何でもない、自由に制限があり貧しい国であることは、私も見て知っている。この本の著者たちも、手放しでキューバを礼賛しているわけではない。しかし、この復興のありかたというのは、すごいではないですか。

もうひとつ、市民防衛について。ハリケーンは避けられないけれども、予測はできる。だから、とにかく逃げる、整然と避難する。家財道具は浸水しない上階に運び、無人になった町は軍が警備する。病院や避難場所の小規模電源は確保される。原発建設は、ソ連の援助が得られず挫折したことが幸いだった。こうして、米国では2005年のハリケーン・カトリーナで2500人を超える死者・行方不明者が出たけれども、同規模のハリケーンなら、キューバの犠牲者は数名だ。

キューバの軍と地域住民との共同による警戒・避難システムは、本来、米国からの軍事侵攻に対抗するためにつくられたものだったという(現に米国は1961年にピッグス湾侵攻事件を起こし、何度もカストロ暗殺未遂事件を起こしてきた)。しかし、もう米軍が大挙してキューバに侵攻・占領する事態は考えにくい。キューバの市民防衛のありかたは、自衛隊の災害対策部隊への再編にも、示唆を与えていると思う。 (2012年1月29日)

« 原発事故収束の険しさ訴えた「世界会議」の意義 | トップページ | 読む・読もう・読めば 112 »

大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

このコラムが予想していた以上に長期間休載されていたので、一時期は本気で「代読・代弁・代筆」を申し出て間を繋ごうかと考えたこともありましただけに、この度無事(?)再開されたことにお祝い申し上げます。ご健康に留意されて末永く筆を振るわれることを願っています。

さて”防災大国キューバ”のお話はある意味驚きです。往々にして軍隊というものが市民に敵対する存在である「社会主義国家」の悪習に染まらなかったのはなぜなんでしょうか。ラテンのノリ?

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読む・読もう・読めば 111:

« 原発事故収束の険しさ訴えた「世界会議」の意義 | トップページ | 読む・読もう・読めば 112 »

無料ブログはココログ