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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2012/04/17

読む・読もう・読めば 116

「あたご」出動せず


 4月3日、あたご事件控訴審の第2回公判が開かれた。たいへん残念なことに私は傍聴に行けなかったので、唯一公判の様子を報道している「しんぶん赤旗」記事を参照する。この日、2人の検察側証人が出廷した。日當博喜・海上保安大学副校長は、清徳丸の損傷部分を再鑑定し、横浜地裁が「あたご」側の無罪を認定した際の衝突角度が実際にはあり得ないことを証言した。また横須賀海上保安部の救難専門官は、地裁判決の元になった清徳丸の航跡図を再計測すると、同船の最高速度を超えていると証言した。このように地裁判決の根拠が崩れたことに対して、弁護側は長時間にわたって証人を尋問し、裁判長が「重複や的外れだなどとして再三注意する場面」があったという。次回公判は5月15日。

 ところで、13日の北朝鮮ミサイル実験に際して、自衛隊はイージス艦「きりしま」「みょうこう」「ちょうかい」を出動させて、日本領に落下する場合は搭載するSM-3ミサイルで迎撃する体制をとったが、舞鶴の「あたご」は出動しなかった。「あたご」「あしがら」の2隻は優秀なレーダーを持ち敵ミサイルを捕捉できるが、BMD機能、つまりミサイル迎撃能力を持たないからだ。防衛省は今年度の重要施策として、イージス艦6隻すべてのBMD機能付加完了を挙げている。
 防衛省は斎藤治和・航空総隊司令官を長とするBMD統合任務部隊を横田に編成した。同部隊の編成は2009年の北朝鮮ミサイル実験の際に続く2度目。東北大震災で「トモダチ作戦」が行われ日米共同調整所が置かれたにもかかわらず、今回の共同行動には疑問が残った。米軍は横須賀のイージス艦「シャイロー」ほかを出動させ、ハワイから海上設置型のXバンドレーダーを移動させたが、これらがどこに配備されたかは発表されていない。また米軍嘉手納基地のSM-3部隊がどう動いたのかも不明。北朝鮮ミサイルが空中で砕け散り落下する様子を捉えたのは韓国のイージス艦「世宗大王」だった。ただし破片の回収は困難のようだ。
 防衛省は出動したイージス艦護衛のため各2機のF15戦闘機を付けたほか、輸送艦「おおすみ」が宮古へ、「くにさき」が石垣へ、航空自衛隊のPAC-3部隊を輸送した。PAC-3の配備はこのほか沖縄本島に2、首都圏の市ヶ谷、習志野、朝霞の、計7カ所だった。不測の事態に備え派遣された陸上自衛隊救援隊の員数は、石垣に450、宮古に200、沖縄本島に200、与那国に50だった。
 「光明星3号」なるものの打ち上げ実験に北朝鮮が使った費用は8億5000万ドル、中国産トウモロコシを国民全員が1年間食べられるだけ購入できる金額だという。打ち上げに使った3段ロケット「銀河3号」はテポドン2ミサイルと同じものと思われる。3代目襲名祝いが北朝鮮国民の犠牲のもとに行われたことは痛々しい。南西重視にシフトしつつある防衛省の動きを促進してくれただけだ。
他方、北朝鮮侵攻の共同軍事演習を繰り返してきた日米韓に北朝鮮を非難する資格はないが、その日米韓共同作戦がいざというときにうまく発動しそうにないことも、今回明らかになったのではないか。もともとミサイル防衛といっても、発射後数分以内に迎撃することなど至難の業だから、今回は迎撃失敗の場面がなくて幸いだったかもしれないし、迎撃に成功しても破片が日本に落ちてくるなら意味がない。  (2012年4月16日)

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コメント

北朝鮮のミサイル打ち上げは失敗したが、日本政府の対応も見るも無残であった。しかしながら、これを好機としてこれまで空白地帯であった沖縄先島諸島への自衛隊常駐の地ならしとなったことは間違いあるまい。元々防衛大綱で対中戦略として南西地域の防衛力強化を課題としており、今年度予算で与那国島への沿岸監視部隊の配備費を計上し、石垣や宮古島にも有事対応部隊を置くことも計画しているわけだから、単なる演習以上の成果を得たはずである。ミサイル防衛のためにアメリカ並みの早期警戒衛星を持つべきだというような妄言は論外だが、行方を注視しておきたいのは、日韓軍事協力を強化しようとする動きだ。韓国国防省は政府間協定ではなく軍当局同士の了解覚書MOUという異例の形式で日本との防衛協力を決断したと報道された。竹島や慰安婦問題、歴史認識問題が暗礁となって進まなかったものを飛び越えて、軍事情報包括保護協定GSOMIAと物品役務相互提供協定ACSAのMOU締結を目指すようだ。これまでは日米と米韓、安保体制はそれぞれ分かれているのだが、ついに本格的な日米韓三国安保体制に進むのだろうか。

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