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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2012/04/30

読む・読もう・読めば 117

5つの改憲案


憲法記念日を前に、各党派から憲法改正案が発表された。自民党の「日本国憲法改正草案」(4月27日発表)は2009年の同党改憲案を引き継ぐもので、完成度は高いがおそらく前回と同じく中曾根康弘さんが嘆くであろうように格調は高くない。起草委員長は中谷元さん。立ち上がれ日本の「自主憲法大綱『案』(4月25日発表)は、天皇を元首とする、国歌・国旗を明記する、自衛軍(自民党案では国防軍)を保持する、国家非常事態条項を新設する、地方は道州制をとる、などは自民党と同じだ。みんなの党は4月27日に渡辺喜美代表の記者会見で「党としての憲法改正に対する考え」を語ったというのだが、その全文は同党ホームページにも掲載されていない。国会を一院制にするところは自民・たち日とは異なる。そして4月27日にはまた民主・自民・みんな等の超党派議員10名による一院制議連が、憲法42条を改正して国会を一院制にする憲法改正案を国会に提出した。

いまぞろぞろと改憲案が出て来たのは、国会の憲法審査会での実質審議を開始させることを目的としたものであって、各党派間ですりあわせをしなければならないから大綱にとどめている、ということか。肝心の民主党は党内とりまとめさえ至難の業だから、当分は憲法改正に手を付けることはできない。そのあたりの事情が良く分かっているマスコミは、改憲案がぞろぞろ出てもその内容を詳しく報道することはしなかった。ただ重要なことは、ほとんどの問題で保守諸党が一致団結できるということであり、また3月10日に発表された大阪維新の会の次期総選挙公約「維新八策」のたたき台なるものに通じるところが多いということだ。

橋下徹代表が「あくまで維新政治塾の『レジュメ』」だと言っているものが、「維新八策のたたき台の概要」として報道されている。1. 統治機構の作り直し 2. 財政・行政改革 3. 公務員制度改革 4. 教育改革 5. 社会保障改革 6. 経済・雇用・税制 7. 外交・防衛 8. 憲法改正。大阪都構想から始まった橋下旋風だから1がまず優先されるのだろうし、6で脱原発を掲げるのも新鮮だが、基本は小泉政権の新自由主義改革を踏襲するように見える。「生まれてから死亡するまでに稼いだお金を使い切る」などという表現が曲者だ。7では憲法9条国民投票と日米同盟基軸を掲げ、8では憲法改正条件を国会の過半数に緩和する。週刊現代報道によれば、筆者は大阪府議会の浅田均議長だという。京大・スタンフォード大院卒、NHK、OECD勤務を経て府議会議員という切れ者だ。

次回総選挙の結果によっては維新を軸に改憲へのおおきなうねりが生ずる。小沢一郎さんの動きはまだ見えない。『一個人』6月号特集「日本国憲法入門」も好企画だが、日本国憲法の平和条項を守り育てることを主眼とする私たちの運動も、「9条守れ」の理念的な運動にとどまらず、政策や将来展望とからめた厳密な憲法論議ができるよう準備しなければならない。というところでコマーシャル。「日本国憲法の平和主義に関する政府見解の論理の変遷を国会答弁を中心に分析し、9条改憲策動への厳密な対応を考察する論文集」を私の事務所「編集工房【要】」の発行、日本評論社発売で4月下旬に刊行した。著者は明治大学の浦田一郎教授、書名は『自衛力論の論理と歴史――憲法解釈と憲法改正のあいだ』、定価5000円+税。高価な専門書で部数も限られているが、ぜひ図書館に入れていただくよう、ご協力ください。  (2012年4月30日)

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大内要三 コラム「読む・読もう・読めば」」カテゴリの記事

コメント

「『9条守れ』の理念的な運動にとどまらず、政策や将来展望とからめた憲法議論ができるように準備しなければならない」という提起は実に的を射ている。3.11以後の反原発・脱原発の運動はそれなりの盛り上がりを見せたが(当会会員のひとりは経産省前のテント村に参加していると聞いている)、個々には強弱の差があるが抵抗運動全体では、領域ごとに“たこつぼ型”で対抗している状況が続いていて、連帯の運動にならず分断・各個撃破されているのが現状ではないだろうか。これに対し注目すべき提案が昨年出されていた。その内容は以下の書籍に。『新たな福祉国家を展望する:社会保障基本法・社会保障憲章の提言』福祉国家と基本法研究会・井上英夫、後藤道夫、渡辺治編著(旬報社)。大意は“大震災を機に民主党政権は停滞していた構造改革政治強行の方向に転じた。「復興への提言」と「社会保障・税一体改革成案」の二本が新たな国家構想である。いまや民自公三党連立体制のもとで一気に実現させようとしている”という分析で、これにたいし“私たちの対抗構想”を示そうとするもの。一読しただけでは十分理解できてはいないが、この本も多くのひとびとに読んでもらいたいもの。ちなみに定価は1500円+税。

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