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「平権懇」☆関係書籍☆残部僅少☆

  • ●大内要三(窓社・2010年): 『日米安保を読み解く 東アジアの平和のために考えるべきこと』
  • ●小林秀之・西沢優(日本評論社・1999刊): 『超明快訳で読み解く日米新ガイドライン』
  • ●(昭和出版・1989刊): 『釣船轟沈 検証・潜水艦「なだしお」衝突事件』
  • ●西沢優(港の人・2005刊・5000円+税): 『派兵国家への道』
  • ●大内要三(窓社・2006刊・2000円+税): 『一日五厘の学校再建物語 御宿小学校の誇り』
  • ●松尾高志(日本評論社・2008刊・2700円+税): 『同盟変革 日米軍事体制の近未来』
  • ●西沢優・松尾高志・大内要三(日本評論社・2003刊・1900円+税): 『軍の論理と有事法制』

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2012/06/05

5月27日 平権懇学習会の記録3

質疑討論

 裁判の原告は7人ですか

早川 はい、そうなんです。URは、耐震性というのがもともと問題で、それで立ち退いてくれということだったんですけど。裁判になったら今度は、耐震性は問題にしないみたいなことを言い始めた。だから、住民側は耐震性の問題を技術的に争うつもりで準備していたんですけど、裁判になったらURは建物については争わないで、出て行ってもらうという、そのことだけに専念する。自分たちは正当な手続きを踏んでいるのにこの人たちは出て行かないと言っているおかしな人たち、不法占拠している人たちなんだ、みたいなことを言い始めて、みんなすごくびっくり仰天してしまって、あんなに耐震性って言っていたのになんでだろう、みたいな感じなんですけれども。耐震工事の専門家とかも出て来ていろいろ突かれると、URとしてもボロが出て来てしまうのか、ちょっと分からないんですけど。

木下 今の耐震基準は1981年に新しい基準になったんですけど、それ以前に建てられた住宅が何十万戸とか何百万戸とかあるわけですよ。本当に耐震基準だけの問題であったら、その何十万戸、何百万戸をどうするという話になるんですけど、そうならない。たとえば私の家なんかもう古いですから、とっくに何とかしなければいけないはずです。でも区からも横浜市からも何も言われてないです。ここで耐震基準なんて言われているのは、単なる追い出しの理由です。彼等が裁判でそれを持ち出さないのも、私はうなずける話ですね。

 聞きたいことが2つあります。私は都議会議員のスタッフをやっています。東京都は住宅局をつぶして、もう都営住宅は作らない、作るとしたら改築でいくという政策を立てて、しかし一方では老人用に新しく作らなきゃいけないみたいなことになって。そこらへんの調整のことを早川さんがどう考えているかというのが1点目です。

 2点目は、いまお話が出た通り、けっこう古い建物が公共のものであって、たとえば昭和30年代にできた児童会館の耐震のIR値が0.6ないというので裁判を起こされて、結局早く壊さなきゃいけない、放っておくと3.11みたいな形になると。やっぱり耐震性は問題になると思うんですけど、そこらへんはどう考えていったらいいのか。2点、お聞きしたいと思います。

早川 私はもう政府の考えひとつだと思うんですよ。もちろん高齢者のための住宅も充実していってほしいと思いますし、でも若い人たちも全然住宅が足りないので、新規建設をしないというのは、やっぱり問題だと思うんですね。とくにこれだけ不況が長引いて、企業ももう正社員では雇わないという時代になってきているから、年代とか年齢にかかわらず、あらゆる層で貧困層が発生していると思うんで、やっぱり公共住宅をもっと充実させてほしいというふうに思っています。

 あと耐震補強については、私は73号棟について耐震補強をしなくて大丈夫とは全然思っていなくて、耐震性が弱い建物はどんどん補強していってほしいと思うんです。URはコストがかかりすぎると主張しているんですけど、でもURの天下りとかがいろいろ指摘されていますけど、そのコストのはじき方とか運営の仕方で、すごく割高になってしまっているのではないか。もっと本当に国民の方を向いて経営してくれないと、最初に住宅公団を作った意味がなくなってしまうというふうに思っています。耐震補強も、別の専門家の人に言わせれば半分ぐらいの値段でできるわけだし、技術的にもいろんなタイプの補強の仕方ができるのに、やろうとしない。それはもう政治の考え方ひとつで決まることなんだなあというふうに、つくづく思いました。

 73号棟ではなにか新規で開発する話はあるんですか。児童会館のところはキャッチアップという形で、あそこらへん一帯を青山病院とかも含めて開発するつもりで児童会館を壊したと、私たちは見ているんですけど。そういった話は出ているんですか。

早川 73号棟を取り壊す話が持ち上がったときは、そういう計画があったそうなんですね。でも噂なので、私はその書類とかを持っているわけではないので、具体的には映画でも言っていないんですけれども。73号棟の隣に廃校になった小学校があるんですよ。その土地と73号棟の敷地を合わせると、かなりのスペースになるんですね。なので開発業者の目論見として、ショッピングセンターとか、高齢者の施設とか、ゼロ歳児保育とか、そういうものの複合施設みたいなものを作る計画が持ち上がったそうなんですけれども。その後にリーマンショックが起こってしまって、今はまったくの白紙です。白紙なんだけれども、73号棟を取り壊す計画だけは残っていて、追い出しだけは進めているという状態です。

 野次馬的な関心で失礼ですけれども、URの方の名前が出て来たりとか、取材を拒否しつつURの言い分も出て来るような映画を作られて、何かプレッシャーみたいなものはなかったんですか。

早川 全然ないんですよ、それが。私はそれをある程度想定して作ったんだけど。URも映画のことは知ってると思うんですが、どの程度の人が見に来ているかっていうのは分からないんですけれども、苦情も何も言われたことがなくって。映画の「靖国」とか「ザ・コーヴ」みたいに、批判すると逆に私の宣伝になる、そういうのってあるじゃないですか。だからもしかして言ってこないのかも知れないけれども、表だって抗議をされたことはないんです。URの労働組合の人とかは何人か見に来てくれたことがあるんですけれども。

 URの職員の方でも、こういった追い出しとかについて、おかしいんじゃないかという方もいるんじゃないかという声は。

早川 特には届いていないんですよね。インタビューの中で出て来た人は、URの元職員で元労働組合の人だから、URにいるときからけっこう発言していたり、情報をマスコミに渡したりとかしていたそうなんですけれども、彼は本当に珍しいほうだったそうなんですね。URの労働組合の人で見てくれた人もいるんですけれども、やっぱり一個人というよりサラリーマンのアイデンティティのほうが大きいので、「おかしいよね」と個人的には言ってくれるんですけれども、何か社内で声を上げようというところまではなかなかいかない。なかなか難しい問題だなあという感じでした。

 私は30年間、公団が施工して開発したところに住んでいます。八王子ですけれども、そこの職員の方は病んでいた、みんな本当に体を壊していた。みんなどこかで無理をしていることを知りながらやっているということだと、そういうふうに思います。それでもやっぱり自分に打ち勝つというか、信念を通して住民のほうの考えを取り入れてくれる、そういう方にも会いましたし、とことん意地悪をする方もあります。それは、どこに行ってもそういう方がいるんだなと、私は世の中知りませんでしたけれども、教わりましたけれども。夫は、「こんなに16時間も外に出て働くようなことをして、何も言わないのかね」と言いました。「替わろうか」とも言いましたね。替わって仕事ができるわけじゃないんですけど。「少しそこをがまんすればいいんじゃないか」と言いましたら、「子供たちが働き盛りになったらもっと悪くなる」と言うんです。定職がなくなったということは、生活が成り立ちませんから、世の中も崩れてきているというところまで来たなと思ったので、もう黙っている時じゃないと。夫が亡くなったのも働きすぎたからじゃないかということもありますけれども、もう失うものがなくなったということです。もうひとつ言いますと、私は父が戦争で亡くなっています。中学生ぐらいのときに母に、「なんで戦争に反対しなかったの」と単純に聞きました。そうしたら母は言いよどんで、何も言わなかったんですね。それを今度、私がその立場に立ったなと思ったので、どこにその切り口があるかと思って。原発のことも、いろんなことが全部吹き出して、いまその時に来たなということで。このチラシをもらったときに、URは自分の30年住んでいるところですから、今日はここに来させていただいて良かったと思っています。URにいる方も私たちも同じところにいる感じがします。

  私は千葉県の浦安市のURに住んでいます。どっちかというと採算のとれる駅前の団地ということで、いま整備して立派になりつつあるんですが、そこから来ました。木下さんのお話がとてもすばらしかったんですが、どのような肩書きといいますか、ご職業ということでこの研究発表をされたのか、お聞きしたかったんです。

木下 私はいまフリーのライターをしています。ただ私は社会人で大学院に入りまして、早稲田の、研究テーマに住宅問題を取り上げて、居住問題をやっていたので、それで今日は報告をさせていただきました。

 監督は「ブライアンと仲間たち」が第1作ということでしたけれど、私は浦安の「9条の会」のことに手を染めているんですが、先ほど、9条の会でもどこかこれを上映されたということなんですけど、私のところでもやりたいなと思っているんですね。それについて、どうしたらいいかは、これが終わった後にお聞きしたいと思います。

 それから、浦安にも「ドキュメンタリー・テーク」というのがありまして、ドキュメンタリー映画を定期的に上映しているグループがいるんですね。そこで「さようならUR」も是非取り上げてもらいたいと思うので、これもまた後で、どんなふうにしたら上映できるのかご相談させていただきたいなと。

ともかく、「さようならUR」というのは、本当に主権者としてこの問題をどういうふうに考えたらいいのかなということも考えさせられましたし、そしてものすごく頑張ってこの作品を作られたなと思って感心しました。ただ内容があまりにもすごくて、素人には疲れましたけれども。でもすばらしい映画だったと思います。ありがとうございました。

 世界の中で住宅政策というか、またはその成功例というか。どうしても住宅を固定的に見がちなわけですけれども、有機体なわけですから、建てられてから生命を持っているわけですよね。私が国外で生活したときに、東南アジアですけれども、シンガポールの住宅政策が非常に私は気に入ったんです。日本は所得そのものは非常に高いと言われつつも、なんでこんなに貧しい住宅にしか住めないのか。住環境は、都市生活とまた田舎の生活は違うところはあるわけですけれども。非常に低廉で人間らしい生活を過ごせるような、また過ごしているような例というのは、あるのでしょうか。

早川 そうですね。あんまり成功例というのは聞いていないんですけれども。私はイギリスに住んでいたんですけど、イギリスって言えば「揺りかごから墓場まで」みたいに良く言われてますけど、サッチャー政権のときにすごく民営化とかが進んで。イギリスの場合は公共住宅として建てられたものが、5年たてば買う権利が発生するようにして、市場にどんどん流していったんですね。だから外見は公共住宅みたいなのがいっぱい並んでいるんですけど、でも中身はどんどん売買されているみたいな。自分がいわゆる公営住宅に入りたいと応募したとしても、たとえばシングルマザーとか障害者とか、ホームレスの状態だとかという人には住宅はあてがわれやすいんですけれども、ワーキングプアみたいな人でも、とりあえず仕事があると、申込みはできるんですけど、20年待ちとか、そういう結果が出て来るんです。ああ、イギリスもけっこう大変な状況なんだなあと、住んでみて思いました。これは人から聞いた話なんですけど、たとえばオランダとかの場合は、住宅政策が環境省のなかにあって、環境の一環として考えられている。だから町との調和とか発展とかと、全部こみで考えている。それはすごくいいんじゃないのかなというふうに思いますけど。

あと私はこの「さようならUR」を韓国と中国で上映したんですけど、中国の追い出しは本当にすごくて、向こうのほうが再開発とかがすごいし、でも立ち退きに抵抗する人もいっぱいいるんですけど。そうすると最終的にはもうビルごと爆破しちゃうんですって。だからこの映画を中国で上映したときに、「URって優しいですね」と言われて、この映画は中国では広まらないかもしれないと思いました。韓国もものすごくて、最後まで立てこもって住民のほうが火炎瓶を投げて、政府は空からヘリコプターで警官を投入みたいな状態になっていたりするんですよ。シンガポールはちょっといいのかも知れないですけど。

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