イラク10メインイベント全体会の各発言要旨
2013.3.20 イラク10メインイベント全体会の各発言要旨
全体会では、イラク10実行委員会共同代表の志葉玲から基調報告が行われた後、イラク人ジャーナリストのアリ・マシュハダーニさん、イラクで死亡したイギリス兵の母でブレア政権の責任を追及するローズ・ジェントルさん、元外交官の孫崎享さんが発言しました。それぞれの発言要旨をご紹介します。
◯イラク10実行委員会より基調報告
基調報告では、11万人以上のイラクの一般市民が殺され、現在も犠牲者が出続けている、
約300万人もの人々が避難生活を続けている、などイラク戦争が終わったとは言えないことを改めて確認。英国やオランダでの検証で、イラク戦争が国連憲章違反の違法なものとみなされていること、民間人虐殺や非人道的兵器の多用、拷問や虐待が国際人道法に反することで、責任追及されるべきもの、と指摘しました。また日本にとっても、憲法問題、在日米軍問題などとも、平和国家、民主主義国家としてのあり方が問われている、と問題提起しました。
◯アリ・マシュハダーニさんの発言
女性や子どもを含むイラクの民間人を虐殺する等、米軍による戦争犯罪を追及していた、アリさんは、米軍に不当拘束され、拷問を受けた体験に触れ、「私のカメラが、彼らのいう“大量破壊兵器”だったのかもしれない」と皮肉りました。「イラク人ジャーナリストの行く末は、殺されるか、逮捕されるか、誘拐されるか、行方不明になるかのどれか」と現地での取材活動の困難さも語りました。また、「日本がイラク戦争に関わったことはショックだった」として、「日本は戦争に自ら関わったのか、問いただしたかった」と日本の政治の責任についても触れました。その上で、平和と発展を基盤とする国のあり方を、日本とイラクから始めていこうと呼び掛けました。
◯ローズ・ジェントルさんの発言
ローズさんは、「息子の死後、なぜ彼がイラク戦争に行かなくてはいけなかったのかと自問自答してきた」と語り、イラク戦争の検証委員会設立を求めてきた経緯を振り返りました。また、検証委員会により、当時首相としてイラク戦争を推進したブレア氏のウソが暴かれ、「現在イギリスでは、多くの人々がブレアの主張が誤りだったと考えている」と報告しました。さらに、「私達が次に取る行動は、国際刑事裁判所にブレアを連れていくこと」とさらなる戦争責任追及を行う意向を表明。「日本でもイラク戦争検証委員会が設立されると期待しています」「一人一人の力は思ったよりも大きい。一緒にたたかっていきましょう」と日英の市民の連帯を呼び掛けました。
◯孫崎享さんの発言
孫崎さんは、集団的自衛権の行使容認や、改憲などに触れ、「安倍政権の政治的方向と大きな関係がある」とイラク戦争の検証が正に今日の課題であることを強調しました。今も責任逃れに終始する、当時の政権関係者らについて「イラク戦争が合法性を持たないことは、開戦前から充分に把握できた」と批判。「間違っていても、その時々の流れに乗って発言していれば、どんどん出世する」と戦争を支持した学術会や、言論界の責任も指摘しました。「米国に追随することは日本のためになるのか」と繰り返し問題提起した上で、「米国が『脅威』を決め、『脅威』とされた者を殺してもいいという流れが作られている」「国連憲章にあるように、世界中が他国を攻撃しないと約束することが、平和につながる。それを説得させ得る一つの材料が、イラク戦争がいかに間違っていたかを検証することだ」とイラク戦争の検証は日本のみならず世界の平和のため必要だと訴えました。
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