2013新春メッセージ
2013新春メッセージ
昨年末の衆議院議員選挙で衆議院議員定数の三分の二超を自民党、公明党で確保し第二次安倍内閣が誕生しました。昨年、12月26日の安倍首相の記者会見をテレビで見ていて大変なことになったと感じました。政治家・安倍晋三氏は第一次安倍内閣で「戦後レジームからの脱却」を掲げ、「教育基本法」を「改定」させました。しかし、「憲法改正」などは市民・国民の反対で実現せず、ご自身の体調不良もあり、内閣は長く続きませんでした。
今回の記者会見で首相は「教育基本法」の「改定」を第一次安倍内閣の成果とし、当時は「56歳と若く肩に力が入り過ぎた」と第一次内閣を振り返っていました。首相は今回の内閣では「経済の立て直しが第一」とは言ってはいますが気になるのが「参議院議員選挙」に触れることの多さです。政治家・安倍晋三氏は「戦後レジームからの脱却」の目標は捨ててはいないと思われます。私は6年前のように「肩に力を入れすぎる」ことなく夏の参議院議員選挙で定数の過半数を獲得し、安定政権を確立した上で「戦後レジームからの脱却」に向かおうとしているのではないのかと捉えています。
我が国は曲がりなりにも日本国憲法に基づいて運営されています。とりわけ「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の3つが「日本国憲法三大要素」です。これらを変えることに私は反対です。
みなさまに「参議院選挙までにじっくりと我が国の運営について考えていただきたい」というのがメッセージです。
2011年3月11日の「東日本大震災」で被爆・被災された福島の方々に「公益社団法人 福島原発行動隊」や「NPO法人 ふくしま支援・人と文化ネットワーク」の一員として、あるいは福島のボランティア団体からの働きかけに応えて寄り添ってきました。この「寄り添う」という言葉は極めて情緒的です。私は「寄り添う」とは「生存権」の回復ないしは確立を求める取り組みと考えています。あるいは闘いと言っても良いかもしれません。日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と認められています。必要な法律、条例を作り救済・復興に当たれば良いのです。
私は米軍・自衛隊による軍事被害者に寄り添い40年超になりました。幾つもの「国家賠償請求訴訟」に取り組んできました。昨年の秋に笠井賢哲さんが起こした「イラク訴訟」にも関わっています。「イラク自衛隊派兵違憲訴訟」では東京訴訟の原告でもありました。この訴訟は全国各地で運動と法廷闘争が取り組まれてイラク訴訟・名古屋判決(2007年、3月の田近判決)、同・名古屋高裁判決(2008年4月)、同・岡山地裁判決(2009年2月)と「平和的生存権」が裁判所に救済を求められる権利であることを判決で確定させました。
この訴訟の過程は「イラク自衛隊派兵違憲訴訟定点報告」として「へいけんこんブログ」に書き残してあります(http://heikenkon.cocolog-nifty.com)。
私の所属しています「平和に生きる権利の確立をめざす懇談会」は「平和的生存権の新たな展開 長沼訴訟からイラク派兵違憲訴訟へ」という新井章弁護士の講演記録を発行しています。また、「へいけんこんブログ」にも掲載されています。
この「平和的生存権」と概念は少し違いますが「平和への権利」草案が現在、国連で審議されています。この草案には「長沼ナイキ訴訟」など日本国内で「平和的生存権」をめぐって争われた訴訟やこの権利確立に取り組んだ民衆の闘いが反映されています。この端緒は私のブログ「あそびばツアー8888」に載せました。カテゴリーは「平和運動」です(http://blog.livedoor.jp/asobiba8888)。
これら「平和的生存権」や「平和への権利」を活用して平和な世界を創ることに微力を尽くします。
日々の生活スタイルは1週間を畑仕事3日、福島関係2日、仕事2日のペースで過ごすことが目標です。そして、判断力、気力、体力のあるうちに資料整理を済ませることも目標の一つです。
今年もいろいろとご支援、ご指導をお願いすることと思いますがよろしくお願いいたします。これから寒さがいっそう厳しくなると思われます。皆様方におかれましてはお身体を大切にしてご活躍くださることを願っています。
(2013年1月5日 杉山隆保)